コンプレッサーの使い方をマスターしよう!
「コンプレッサーとは?」のページでコンプレッサー(以下コンプ)の使用目的は以下の3点であると説明しました。
- ボーカルなど急なシャウト音の入力がマイクからあった際にPA機材に影響が出ないように音量レベルを抑える
- 飛び出ている音を圧縮して音のツブを揃える
(ギターのカッティングなどに有効) - 音を圧縮して音圧を高める
(バスドラムの音の音圧アップなどに有効)
1については、「機材保護」の目的で使用します。逆に2,3については「音作り」という目的でコンプレッサーを使用します。それぞれの目的によって、コンプレッサーの設定が変わってくるということを覚えておいてください。
それでは、まず、コンプレッサーの設定をする際に操作するパラメーターをご紹介します。
その前に、コンプレッサーのパラメーターを説明すために必要な図を紹介します。
この図は、入力された音と出力される音のレベルの関係を表しています。
赤い線がその特性を表現しています。これは、コンプにて何も処理をしていない状態です。
-50dBの音が入力されたときには-50dBで出力し、0dBの音が入力された時には0dBで出力されます。
デジタルミキサーに搭載されているコンプなどの設定をする際にもこの図が使用されているのでこの機会に見方を覚えてしまいましょう。
Threshold(スレショルド)
スレッショルドとは、日本語にすると「閾値(しきい値)」という意味になります。
この値を境にして、コンプがかかる(圧縮を始める)かどうかが決まっていきます。
スレッショルドでは、コンプの効き具合の調整を行ないます。
例えば-20.0dB という値をスレショルドとして設定した場合、-20.0dB の大きさを超えた音に対してコンプが掛かるようになります。
この設定だと、-10dBの音が入力されてきた場合は-15dBに圧縮されて出力されます。
このスレショルドの値は処理する音源によって変わってきますので、○dBに設定しましょうという明確な正解はありません。
Ratio(レシオ)
入力音がスレッショルドで設定した値を超えたとき、コンプで圧縮していく割合がレシオとなります。
この例の場合は、スレショルドを超えた部分の特性は、「入力レベル : 出力レベル = 2 : 1」の関係になっているのが分かります。
レシオは出力レベルに対しての入力レベルの比で表されるため、この場合はレシオは「2」ということになります。
つまり、この設定を簡単に表現すると-20dBを超えた音が半分のレベルに圧縮されると言えます。
コンプの設定においては、このレシオの設定が重要なります。
レシオの値が小さいとコンプの掛かり方は緩やかになり、レシオの値を大きくするとコンプの掛かり方がきつくなります。
ちなみに、こちらがレシオの値が∞(無限大)の場合のコンプ特性です。
この場合は、-20dBを超えた入力音はすべて-20dBに圧縮されてしまいます。
つまり、リミッターのように動作します。
このように、レシオの設定によってコンプの性格はガラッと変わります。
Attack(アタック)
Attackのパラメーターは、アタックタイムを調整するパラメーターになります。
アタックタイムとは、スレッショルド値を超えた瞬間から、コンプで設定したレシオのレベルまで音を圧縮し、それが完了するまでの時間のことを言います。
よく間違って覚えている方がいらっしゃるのですが「圧縮を開始する時間」ではありません。
コンプはスレッショルドを超えた時点で動作を開始し、レシオの割合になるまで徐々に圧縮をかけていきます。
アタックタイムを調整することによって音のアタック成分を調整します。
このアタックタイムはコンプの設定の中でもかなり重要な部類に入ります。
アタック感を出したい場合は、アタックタイムを長めに取るようにしましょう。
逆にギターやシセンのようなアタック感を重視しない音はアタックタイムを短く設定するようにしましょう。
Release(リリース)
Releaseのパラメーターはリリースタイムを調整するパラメーターです。
リリースタイムは、入力音がスレッショルドを下回ってから、コンプを解除するまでの時間を指します。
リリースタイムでは、ダイナミクス、効き具合などを総合的に調整します。
リリースタイムは、明確に効果として見えやすいアタックタイムに比べると軽視されがちですが、 実はかなり重要な役目を持っています。
リースタイムを設定する目的としては、「スレッショルド」を下回った後にすぐ圧縮解除されてしまうことで、極端な音量差が生じて、サウンドが不自然」になるのを防ことにあります。
つまり、コンプレッサーのアフターケア的な位置付けです。
リリースタイムもアタックタイムと同様に音源とその音をどうしたいかによって設定が変わってきます。
例えば、バスドラムなどのアタックが重要な音源に対して、リリースタイムを長く取りすぎてしまうと、リリースタイムの時間内に次のアタック音が来てしまい、強弱の抑揚がつかずに平坦な音になってしまいます。
逆にギターやシンセなどのアタックが重要でない音源に対して、音量バランスを平坦にして整えたい場合などはリリースタイムを長めに設定すると良いでしょう。
Gain(ゲイン)
ゲインは、音量を上げるために使用されます。
音圧を上げるためにコンプレッサーをかけた場合は、基本的に音が小さくなります。
この小さくなった音の音量を上げるために使用されるのがゲインです。
以上がコンプレッサーの使い方です。
PA初心者には少し難しい内容にはなりますが、コンプの使用方法は重要ですので実践を繰り返してぜひマスターしていただきたい内容ですね!