少ない本数で行うドラムのマイキング
ライブを行う際にはPAシステムを準備しますが、予算や設置場所の都合によっては、十分なチャンネル数を備えたミキサーを準備することができない場合があります。
その際には、「いかに少ないマイクの本数でマイキングするか?」ということが重要になります。
ライブにおいてバンドの収音をする際には、通常、複数のマイクを使用することになります。
- ボーカル
- ギター
- ベース
- キーボード
- ドラム etc.
などがマイキングを行う主なパートです。
ボーカルやギターなどの収音はマイク1本あれば何とかなりますが、ドラムに関しては、マイク1本で収音することは非常に難しいです。
ドラムは様々な楽器の集合体であり、それぞれのパーツを叩いた時の音が飛んでいく方向が異なりため、すべてのパーツの音が綺麗に鳴っている位置を探すのは非常に難しいのです。
ドラムのマイキングを少ないマイクの本数でやるためには、最低3本のマイクが必要と考えます。
その3本のマイクをバスドラム、スネアドラム、オーバヘッドの3箇所に設置します。
バスドラム、スネアに関しては演奏者がモニターで返してほしいという要望がある可能性が高いため、それぞれ個々にマイキングを行っておく必要があります。
バスドラムには、低音用マイクを使用すると良いでしょう。D112やATM25、BETA52Aなどがバスドラム用の定番マイクです。
スネア用のドラムは、SM57が使われる場合が圧倒的多数です。
また、ドラムのオーバーヘッドにはある程度広い範囲の音を拾うことができるコンデンサマイクを使用することが望ましいです。
このコンデンサーマイクはスネアやタム、シンバル類を含むドラム全体の音を収音するために設置します。
多くのマイクを使用してドラムのマイキングを行う際には、オーバーヘッドに設置したコンデンサーマイクは、シンバルの音を収音するためだけに使われる場合が多いですが、今回のように少ない本数のマイクでドラムのマイキングを行う際には、そのような贅沢なマイキングはできません。
オーバーヘッドに設置したコンデンサーマイクでタム、シンバル類を全てバランス良く収音しなければなりません。
その際に重要になるのは、マイクを設置する高さです。低すぎても高すぎてもバランス良くドラムセットの音を収音することはできません。
もし、時間があれば、オーバーヘッドマイクの高さを色々変えてみて、その音の変化を確認してみるのも良いかもしれませんね。
そして、音作り(イコライジング)も重要です。
マイク1本でタムなどの中音域からシンバルなどの広音域までをカバーしなければならないのですが、通常は、マイクに近いシンバルの音が大きくなりがちです。
そこで、高音域をある程度削ってあげることでバランスの良い音質になると思います。
このあたりは実際にやってぜひ試行錯誤してみてください(笑)
ドラムのマイキングは、まずこの3本でバランス良く音をまとめられるようになることが重要です。
これがドラムのマルチマイキングの第一歩と言っても良いでしょう。
そして、徐々にマイクの本数を増やしていく方が良いでしょう。
まずはトライです!
早速やってみましょう。