PAで音が出ないときのチェックポイント
PAを始めて間もない方は、きっと「音が出ない」という問題に直面したことがあるのではないでしょうか?
そんな時にどんなことをチェックすれば良いかというのをまとめましたのでご参考にしていただければと思います。
目次
PAシステムに必要な機器がしっかりと接続されているか?
PAシステムを構成する上では、最低限必要な機材があります。
それは、以下の6つです。
- マイクロフォン(マイク)
- マイクケーブル
- ミキシングコンソール
- パワーアンプ
- スピーカーケーブル
- スピーカー
まず、この機材が揃っていないと音は出ません。
よく初心者であるのが「パワーアンプを接続しなくても音が出る」と思ってしまっているということです。
私も初めてPA機器に触れた時はパワーアンプを使わずに音を出そうとしていました。
本当に小さな音は出るのですが、ライブで使えるレベルの音が出なくて困ったことを覚えています。
PA機器は基本的には以下のような接続をします。
マイクから音を入力し、その信号をマイクケーブルを使ってミキシングコンソールに送ります。
そこでミックスされた音をパワーアンプに送り、スピーカーを動かすことが出来るレベルの信号まで増幅させます。
その信号をスピ―カーに送って音が出るようになります。
このような接続がされていないと音は出ません。
「音が出ない」という時には、上図のような接続が出来ているかを確認しましょう。
PA初心者がPAをする際に音が出ない原因のほとんどはこのような機材の接続ミスだと思いますので、まずはこの部分をチェックしましょう。
音の入り口であるマイクは故障していないか
PAで音が出ない時には、音の入り口から順にチェックしていくと良いでしょう。
その理由は、音の入り口の機材にある方が故障しやすいというのと、スピーカーなどと比べるとある程度簡単にチェックができ、簡単に交換対応が出来るからです。
チェック方法は「別のマイクに変えてみる」ただそれだけです。
変えて音が出ればマイクの故障が原因ということが言えます。
ケーブル類の断線等は無いか?
マイクを交換しても音が出ないようであれば、次にケーブルをチェックしてみましょう。
ケーブル類は消耗品です。
長い間使用していたり、乱暴な扱いをしていたりすると断線する可能性もあります。
断線してしまったケーブルは電気信号を正確に送ることが出来ないため、音が出ない原因になります。
ケーブルもマイクと同様に別のケーブルと交換してみて音が出るのか出ないのかを確認する必要があります。
交換して音が出れば、ケーブルが原因だったということになります。
ミキシングコンソールの設定は適切に行われているか?
マイクやマイクケーブルが問題無くても、ミキシングコンソール(以下、ミキサー)においての設定が適切にされていないと音が出ません。
ミキサーの操作方法はメーカーや機種によって異なるためあまり細かいことは言えませんが、大枠で言うと以下のようなポイントをチェックすると良いでしょう。
- ミキサーの電源は入っているか?
- チャンネルのフェーダーだけでなく、マスターフェーダーが上がっているか?
- チャンネルのミュートボタンが押されていないか?または、ON/OFFスイッチがOFFの状態になっていないか?
- チャンネルの音をマスターフェーダーに送るためのON/OFFスイッチがONになっているか?
これはアナログミキサーを使用する前提で書いていますので、デジタルミキサーだとまた別の原因が出てくることもあります。
パワーアンプの設定は適切に行われているか?
ミキサーの設定も問題ないことが確認できたら、次に疑うのはパワーアンプです。
パワーアンプでは、以下のようなポイントをチェックしてみると良いでしょう。
- ミキサーからの配線はつながっているか?
- 電源が入っているか?
- パワーアンプのボリュームが最小(∞)になっていないか?
スピーカーは故障していないか?
スピーカーは通常、ウーファーやツイーターといった複数のユニットで構成されます。
これらのそれぞれのユニットが壊れていると音は出ません。
しかし、現実的にすべてのユニットが一気に壊れることは考えにくいため、全く音が出ないという原因がスピーカー側にあるということはほぼ無いでしょう。
あるとすれば、パワーアンプとスピーカーの間の配線がつながれていない、または断線しているということくらいだと思います。
ちなみに、スピーカーの音量を上げすぎると、まずはツイーターが壊れます。
ツイーターが壊れると、「バチバチ」という音が混ざるようになり、最終的には音が出なくなります。
ただし、中低音を再生するウーファーからは音が出ているため、曇った感じの音になります。
このような場合はツイーターを交換することで修理をすることができます。
PAシステムは様々な機器を組み合わせて使っているだけに、「音が出ない」という原因は多種多様です。
そして、このページで紹介したチェックポイントはあくまで代表的なものですので、すべてを網羅している訳ではないということをご承知おきください。