ミキシングコンソールの様々な用途
ミキシングコンソールはPAに限らず「音」を扱う様々な場面で活躍しています。
そして、ミキシングコンソールに求められる機能も使用する用途によって変わってきます。
そのため、ミキシングコンソールは用途に応じて適切な設計がなされています。
ミキシングコンソールの用途別の分類は、厳密には難しいのですが、大きく分けるとすると以下の4種類になります。
- ポストプロダクション
- ブロードキャスト
- レコーディング
- PA(SR)
それでは、一つずつ解説していきます。
ポストプロダクション
映像編集作業やMA作業(サウンドエフェクトを付加する作業)のことを指します。
映像編集は、「音」と「映像」を組み合わせて初めて作品になります。
つまり、その作品を作るためには、ミキシングコンソールと映像編集システムがしっかりと連携されているのが理想です。
また、作業効率をアップさせるようなコントロール機能(RECボタンなど)を搭載されていたりと、映像編集に適した仕様となっています。
ブロードキャスト
テレビ放送用のミキシングコンソールのことを指します。
連続稼働時間が長く、スタジオトークや中継などといった生放送のリアルタイム素材を扱うことが多いため、安定性(信頼性)がとても重要になります。
生放送中にミキサーが誤作動を起こすといったようなことは許されないのです。
また、地上デジタル放送実施に伴い、音声モードとしては、モノラル、ステレオの他に5.1chのサラウンド素材を放送する場面も出てきています。
このような音源を扱えることもブロードキャスト用のミキシングコンソールには求められます。
レコーディング
レコーディングはご存知の通り、音楽を中心とした音源の製作の作業のことを言います。
基本的には、マルチトラックレコーディング(複数のトラックを同時に録音する方法)を取りますので、そのニーズに対応できるチャンネル数を持ったモデルでなければなりません。
オーケストラなどの大規模レコーディングの際には、かなりの数のチャンネルが必要になったりします。
それに応じて、モニターシステムも複雑になる場合があります。
レコーディング用のコンソールは「音」で勝負するコンソールのため、当然ですが音質が最優先されます。
近年では、ハイレゾといったような高音質音源にも対応できることもレコーディング用のコンソールには求められます。
PA(SR)
PA用ミキシングコンソールは、ホール・劇場・ライブハウスなどで使用されることを前提に設計されています。
PA用ミキシングコンソールでは、メインスピーカーへの出力の他にステージ上へのモニター、照明室やロビーへの出力など、多くの出力系統が必要になります。
このような出力系統を充実させるためにグループアウトやAUXといったようなサブ出力機能を装備しているのがPA用のミキシングコンソールです。
また、移動式のPAシステムの場合は、他のミキシングコンソールとは違い設置・撤収を繰り返すため、耐久性や可搬性(サイズ、重量など)を考慮した設計が必要になります。