S/N比とは?
S/N比というのは「エスエヌ比」と言われており、Signal -Noise Ratioの略です。
信号対雑音比などと言われたりもします。
Signalというのは信号のことです。ここで言う「信号」というのは使用したい信号のことです。
つまり、PAシステムで言えば鳴らしたい音が「信号」ということになります。
一方、Noiseというのは雑音のことです。
S/N比は、機器の性能を表す一つの指標となっています。
ちなみに、S/N比は以下の数式で求められます。
S/N比[dB]=(最大信号が出力された時の電力)÷(信号が出力されていない時の電力)
音響機器であるパワーアンプを例にしてS/N比を考えていきましょう。
パワーアンプでいう最大信号が出力された時というのが音の信号が出力されている状態です。
一方、信号が出力されていない時というのが、音の信号が無い状態のことを言います。
この時に出ているのが「ノイズ」なのです。つまり不要な音の信号です。
何も出力したくないのに、勝手に「ジーーーーー」という音が鳴っているPAシステムを稀に見ます。
これは、出したい音に対してノイズが大きいため、S/N比が小さくなります。
逆に音の信号が入力されていない時になっている音が小さい(もしくは聞こえない)ような場合はS/N比が大きくなります。
実例を見ていきましょう。
これは、AMCRON社のXLSシリーズというパワーアンプのスペック表の抜粋です。
赤枠で囲った部分がS/N比になります。
XLS100というモデルの場合、S/N比は97dB以上となっています。
97dBというのは、具体的にどれくらいの比率なのでしょうか?
こちらのサイトでdBを比率に変換してくれるツールがありますので活用します。
この結果から、このアンプのノイズに対する出したい音の比率は約7万倍です。
ちなみに私がよく使用しているEV社のQ1212というパワーアンプはS/N比が110dBということで、ノイズに対する出したい音の比率は約31万倍となります。
S/N比だけを比較するとQ1212の方が優れていると言うことができます。
ただし、S/N比は機器を選択する上での一つの指標なので、自分の用途に合わせた機器選択をすることが重要です。