音を表す単位「dB(デシベル)」とは?
「音の3要素とは」のページで音の大きさは「dB(デシベル)」で表されるというのをご説明させていただきました。
しかし、このdBとは一体何なのか?その正体をしっかりと理解している方は意外に少ないと思われますので、ここで解説させていただきます。
ミキサーのフェーダーには「-10」であったり、「-20」といった数字が書かれています。この単位が実は「dB」なのです。
0dBの時の音と-20dBの時の音は20dB分の音量差があります。
それでは、この20dBとは一体どれくらいの差なのかをご説明いたします。
デシベルと倍率の関係を示したのが以下の表になります。
デシベルの差 | 倍率 |
0デシベル | 1倍 |
6デシベル | 2倍 |
10デシベル | 3倍 |
20デシベル | 10倍 |
40デシベル | 100倍 |
60デシベル | 1,000倍 |
80デシベル | 10,000倍 |
100デシベル | 100,000倍 |
120デシベル | 1,000,000倍 |
つまり、20dBの差というのは音の大きさで言うと10倍の差があるということになります。
なぜこのような表現にしているかというと「倍率」表現してしまうと桁数が大きすぎて扱いにくいというのが理由です。
この桁数を小さく表現するために、数学的に言うと対数表示した訳です。
ちなみに、「dB(デシベル)」というのは「d(デシ)+B(ベル)」という二つの言葉を合わせた単位です。
d(デシ)は「1/10」という意味です。
つまり、20dB=2Bとなります。
B(ベル)と倍数の関係を表したのが以下の表になります。
ベルの差 | 倍率 |
0ベル | 1倍 |
0.6ベル | 2倍 |
1ベル | 3倍 |
2ベル | 10倍 |
4ベル | 100倍 |
6ベル | 1,000倍 |
8ベル | 10,000倍 |
10ベル | 100,000倍 |
12ベル | 1,000,000倍 |
このように小数点が出てしまって分かりにくいためd(デシ)を付けたということになります。
ちなみに世の中にある音とデシベルの関係を表したのが以下の表になります。
デシベルの差 | 倍率 | 音の大きさ |
0デシベル | 1倍 | 人間の聴力限界 |
6デシベル | 2倍 | それより少し大きな音 |
10デシベル | 3倍 | 静かな息 |
20デシベル | 10倍 | 葉のカサカサ音 |
40デシベル | 100倍 | 静かな図書館 |
60デシベル | 1,000倍 | 一般的な会話 |
80デシベル | 10,000倍 | 目覚まし時計 |
100デシベル | 100,000倍 | 地下鉄の電車 |
120デシベル | 1,000,000倍 | 飛行機の爆音 |
これを見ていただけるとある程度イメージが沸いてくるのではないかと思います。
ちなみにライブハウスなどの音量は120dB程度であると言われております。
私たちがPAを行う際には音量規制が明確に設定されている会場もあります。
生ドラムを叩いたら規制値を超えてしまい、会場のスタッフの方に「ドラムをもっと軽く叩いてもらうようにお願いしてください」という変なお願いをされたこともありました。
過去にはこの音量規制を守れずに継続できなくなってしまった野外フェスや営業できなくなってしまったライブハウスがあることも事実です。
規制された音量の中で迫力のある音を出すのもPAの重要な役割なのかもしれません。