リハーサルの目的~リハーサルは練習の場では無い~
ライブをする際には「リハーサル」を行います。しかし、リハーサルの目的をしっかりと理解しているバンドマンはどれくらいいるのでしょうか?特に初心者バンドなどはリハーサルの目的をイマイチ理解できていないように感じます。
リハーサルの目的
リハーサルの一番の目的は「本番でベストな音を出せるように音を調整すること」です。ここで言う「音」というのは、お客さんに向けて出される外音とミュージシャンに向けられる中音のことを指します。つまり、リハーサルというのは「お客さんが感動するような外音」と「ミュージシャンが演奏しやすい中音」を作り上げていく事が目的なのです。
しかし、この目的を理解できていないバンドが多いのも事実です。その究極の例が「リハーサル中にバンド練習を始めてしまう」というパターンです。「この曲の終わりをどうする?」だとか「今の曲はちょっとテンポ早かったよね?」と言った会話が繰り広げられるわけです。
このような話は、本来であればステージに上がる前につめてこなければならない内容です。ステージ上でこれをしているようでは、上記のような目的は達成できません。
ミュージシャンが優先するのは中音
リハーサルにおいて、ミュージシャンが最も優先的に調整すべきは中音(モニター音)です。なぜななら、中音だけは本番中に変更することが難しいからです。特に卓返しと呼ばれるような外音と中音の調整を一人のオペレーターが行う場合は、通常、ミキサーは客席側にあります。その場合、ライブ中にお客さんに向けて「自分の声のモニター上げてもらっていいですか?」というやり取りをしなければなりません。しかし、このようなことをするとライブの雰囲気は冷めてしまいます。そうならないためにも、リハーサル中には最優先で中音の調整をする必要があるのです。
よく、リハーサルが始まった瞬間に客席に降りて外音を確認しに行くミュージシャンの方がいらっしゃいますが、それは、中音を固めてからにした方が良いでしょう。また、バンド全体で音を出して間もない状態というのは、PA側で慌ただしくバランスを取る作業をしています。その状態の音に意見してもあまり意味は無いのです。
ミュージシャンはリハーサルにおいて最も優先させるのは中音。それを完成させた頃には、外音のバランスが取れているはずです。その状態で外音の確認をすれば良いかと思います。
このような目的を常に頭の中に置いていただければ、きっと有意義なリハーサルが出来るようになると思います。