ライブをする上で知っておくべき用語集(ボーカル編)

ハンドマイク

マイクを手で持って歌うことを「ハンドマイク」と言います。マイクスタンドにセットして使う場合に比べてハウリングの仕方が変わってくるため、演奏の都合で途中からハンドマイクになる場合などはリハーサル時にPAさんに言っておくか、セットリストに書いておきましょう。

マイクスタンド

マイクをホールドしておくためのスタンドです。マイクスタンドには種類があって、まっすぐなものをその名の通り「ストレートスタンド」。途中で折れ曲がっているものを「ブームスタンド」と呼びます。また、金属のジャバラのようになっていて、自由に動かせるスタンドを「グースネックスタンド」と呼びます。また、ギターアンプのマイキングなどに使用する短いスタンドを「ショートブームスタンド」と呼びます。使用目的に応じて適切なマイクスタンドを選択します。

マイクホルダー

マイクスタンドの先のマイクをはめる部分のことを言います。マイクはその種類によって、太さや形状が様々ですので、いざライブハウスに行ってみたら「ホルダーが合わない」ということも起こり得ます。そのような場合に備えて、マイク購入時に付属してあったホルダーを持っていくと良いでしょう。

オンマイク、オフマイク

音源に対してマイクが近いことを「オンマイク」。逆に音源に対してマイクが遠いことをオフマイクと言います。マイクは音源に近づけば近づくほど低音が強調される性質を持っています。これを近接効果と言います。ボーカリストは、うまくこの近接効果を利用して良い音でスピーカーから声が出せるようにすることもボーカルテクニックの一つです。

グリル

マイクの先端の金網の部分のことを「グリル」と呼びます。グリルボールやウィンドスクリーンなどとも呼ばれます。グリルの役割は、ボップノイズと呼ばれる、マイクに息を吹き込むことで鳴る「ボッ」「ポッ」という音を軽減することです。その他にもマイクの音を拾う機械の部分を唾液から守るという役割もあります。またグリルの内部に入っているスポンジによって周波数特性は結構変わります。スポンジ部分が唾液で濡れて固まっているとマイク本来の性のは出ません。

マイクスイッチ

ライブ会場にあるマイクには、カラオケマイクのようなスイッチは付いていない場合がほとんどです。スイッチのON/OFFはPA側で行うのが普通です。従いまして、音が出なくてもマイクをバンバンと叩いてはいけません。

マイクケーブル

マイクとミキサーをつなぐケーブルのことです。キャノンケーブル、XLRケーブルと呼ばれたりもしますが意味は一緒です。ケーブル両端のコネクターがオス・メスになっているため、繋いでケーブルを延長することができます。ステージ上を動き回るボーカリストの場合はケーブルの長さが足りるかどうかをリハーサルで必ずチェックしましょう。もし足らない場合は、PAさんに延長をお願いしましょう。

コンデンサーマイク

コンデンサーマイクをボーカルに使用するのは、通常はレコーディングの時になりますが、近年では、ライブで使用できるボーカル用のコンデンサーマイクも出回っています。ボーカル用コンデンサーマイクは高価なだけあって性能は良いですが、その分扱いはシビアになります。衝撃や湿気に弱いので、メンテナンスには細心の注意を払いましょう。
また、コンデンサーマイクを使うためにはファンタム電源という別の電源をミキサー側から供給してもらわなければならないため、事前にPAさんと話をしておく必要があります。

ダイナミックマイク

「コンデンサーマイク以外のマイク」がダイナミックマイクだと思って良いでしょう。ライブハウスに常設のマイクは大抵はダイナミックマイクです。コンデンサーマイクに比べて耐久性は高いものの、手荒な扱いはしてはいけません。

ヘッドセットマイク

頭に固定してつけるマイクです。踊りながら歌うアイドルのライブなので使われたりしますが、マイクが口の前で固定されるため、「はーはー」という息の音を拾いやすくなってしまいます。

ピンマイク

服などにピン(クリップ)で取り付けるマイクのことを言います。テレビの収録などで芸能人がつけているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?この種のマイクは、非常にハウリングしやすいため、ライブでボーカルに使用することはまずありません。

指向性

「マイクがどの範囲の音をどの程度拾うか」という意味の言葉です。ライブでは、ハウリングに有利な単一指向性(カーディオイド)と呼ばれる指向性を持つマイクが最も多く使用されます。この指向性については、マイクの機種によって全く異なるため、自分に合ったマイクを選ぶことが大切です。決して指向性が狭いマイクが高性能といわけではありませんのでご注意ください。