「捨てる勇気」を持とう
皆さんは過去にうまくいったやり方を変える勇気はありますか?
「過去にうまくいっている方法だからそれを踏襲すれば良い」という考え方もあるかもしれませんが、それが時に悪い結果をもたらすことがあります。
過去にうまくいったやり方が今回もうまくいくとは限らないのです。
これをバンドという観点で見てみましょう。
演奏場所に全く同じ状況は存在しない
「ライブは生き物~同じ状況は2度と無い~」のページでも書きましたが、ライブをするにあたって、全く同じ状況というのは存在しないのです。
多くのバンドはライブハウスでライブをすることが多いと思います。ライブハウスが違えば環境が変わるのは当たり前ですが、同じライブハウスでも過去にやった時と全く同じ環境ということはあり得ないのです。
この時にバンド側に求められるのが「臨機応変さ」です。
状況に合わせて、バンドのセッティングを変えられるバンドは、どんな環境でも良い音を出せるバンドだと思います。
良いバンドの思考
良いバンドは臨機応変な対応が出来ます。
変なこだわりは持っていません。ここで言う変なこだわりというのは、自分本位な要望を突き通すということです。
例えば、あるバンドのボーカルさんが「この前買ったこの高級マイクをどうしても今回のライブで使いたい」と言ってきたとします。
しかし、リハーサルで使ってみるとハウリングがひどく、ボーカルの音量を十分に上げられないということが起こってしまったのです。
この状況にも関わらず、本番でもこのマイクを使用することになった場合、バンドとしての出音はイマイチなものとなってしまいます。
逆に「ちょっとハウリングマージンが少ないマイクのようなので、常設のマイクを使用します」というように言えるボーカリストが臨機応変な対応ができるボーカリストです。
このように各パートが、音を悪くしている要因が自分の思い入れのある機材であった場合でも、それを間単に捨てられる(実際に捨てるわけではありません)事がバンドとして良い音を目指すためには必要です。
モニターミックスにおいての捨てる勇気
機材だけでなく、モニターにおいても「捨てる勇気」は重要になります。
例えば、ボーカリストというのは、自分のモニター音を上げてくれと言う人が大多数です。
このセッティングの状態で、実際にステージに行って音を聞いてみると、「死ぬほど声が大きく返っている」ということが良くあります。
人間の耳は大きな音を聞くと音程がうまく取れなくなるという性質があります。
つまり、その音を聞いて歌っているボーカリストのピッチはずれてしまうということです。
このような時に、「ボーカルのモニター音量を下げてもらえますか?」という調整が出来るボーカリストは素晴らしいです。
そのボーカルの音量に合わせて、他のパートの欲しい音のボリュームを調節していくのがもっとも良い方法でしょう。
「捨てる勇気」はバンドにとって非常に重要なものになります。
この感覚を持てるようになれば、バンドとして更に良い音を出せるようになります!