バンドの各パートの音量バランスについて

バンド全体の音作りをする時に手っ取り早く効果を出す方法があります。

それは、「各パートの音量バランスを整えること」です。

逆に言うと、これが出来ないようであれば各パートの音作りをする資格は無いとまで言ってもいいくらい重要なことです。

私が初めてこのことに気づいたのは、バンドを初めて組んでから数年後のことでした。

大学のサークルでバンド練習をしていた時のことでした。

ドラムは頭数が少なく、掛け持ち(複数のバンドでドラムを担当)が基本でしたので、いろいろなボーカリスト、ギタリスト、ベーシストと一緒にバンドをやってきました。

その中で「バンドによって全体の音のバランスってこうも違うものなのか?」と思ってしまいました。

そして、演奏していて気持ち良いバンドというのは、例外なく各パートの音量バランスが良いバンドでした。

バンドの音量はドラムを基準にする

バンドにおいて各パートのボリュームを調整の基本は、「ドラムの音量を基準にする」ということです。

楽器の中でドラムだけは、「音量調節用のツマミが無い」のです。

人が叩く強さを変えたとしてもその音量には限界があります。

一方、ギターやベースなどは、基本的にはアンプを使用して音を出します。

一般的な練習スタジオに置いてあるアンプであれば、フルボリュームにすればドラムの音に圧勝するレベルの音が出ます。

従って、音量調整幅の一番少ないドラムを音量の基準とするのが一番スマートなやり方です。

初心者でありがちな負のループ

初心者がバンド練習をする時には、楽器のバランスが良くないことがほとんどです。

実際に私もそうでした。例えば、ギターのボリュームだけ他の楽器に比べて大きかったとします。

すると、他のメンバーは、ギターの音に自分の音がかき消されてしまうため、自分の楽器のボリュームも上げます。

すると今度は、ギターが自分の音を聞きにくくなり更にボリュームを上げます。

すると、今度はボーカルが自分の声が聞こえないと言うことが起こり、マイクの音量を上げます、
するとハウリングが起こるのです。

このような状況では、肝心のバンド練習は気持ちよく出来ません。

それでは、どうしたら良いでしょうか?答えは、ボリュームを下げる(下げさせる)勇気を持とう!ということです。

「自分のパートの音が聞こえないから自分のパートのボリュームを上げる」というのは至って自然な流れなのですが、バンドの音量バランスを取る上ではあまり良い方法では無いのです。

思いやりの精神が重要

バンドの音量バランスを取るときのもうひとつのコツは、他のメンバーを思いやる精神を持ちましょうということです。

「俺のボリュームでかくない?」「自分の声聞こえる?」といったように相手を気遣うことも重要です。

また、アンプの位置や角度を変えることで相手に他のメンバーにうるさくなく、かつ自分も聞きやすいようにすることも可能なのです。

私のバンドのギタリストは、アンプを傾けて少し上に向かせています。

これは、アンプの音が聞こえやすくすると同時に、アンプのボリュームを上げすぎないという効果もあります。

このようにして、バンドの音量バランスを取ることにチャレンジしてみてください。