ライブでの最悪行為「マイクを叩く」
こんにちは。
先日Twitterでツイートした内容が皆様から多くのいいね!RTをいただけたので、この内容についてもう少し詳しく解説していきたいと思います。
ちなみに、そのツイートがこちらです。
↓
マイクは叩いちゃダメだって言ってるんだろがー!!!
と言いたくなる時は結構ありますよね?(笑)
— PA INFORMATION for beginner (@PA_information) 2019年4月22日
PAエンジニアであれば、一度ならず何度も経験されていることではないでしょうか?
プロのライブ現場ではほぼないと思いますが、アマチュアのライブなどでは、ボーカリストマイクをガンガン叩いて音が出るかを確かめているケースは多いです。
この行為は、PAエンジニアからすると「最悪の行為」です。
それでは、なぜ、「マイクを叩く」という行為が最悪の行為なのでしょうか?
マイクを叩いた時には大きな電気信号が発生する
まず、マイクというのは音を電気信号に変換するためのPA機器です。
音を電気に変換することで、ミキシングコンソール内で扱えるようになります。
ただし、マイクというのは、あくまで声を拾うために設計されています。
少し難しくいうと、声を出すことによって作られた空気の振動を拾うように設計されています。
つまり、空気の振動という小さな信号をできるだけ綺麗に拾えるような構造になっています。
そんなマイクに対して「叩く」という行為をするとどうなるでしょうか?
ご察しの通り、空気の振動では発生しないような大きな振動がマイクの振動を拾う振動板に入ってしまい、大きな信号がミキシングコンソールに送られてしまうということになってしまいます。
大きな電気信号は大きな音になる
マイクを叩くと大きな電気信号がミキシングコンソールに送られてしまうのですが、その大きな電気信号は大きな音となってスピーカーから放出されてしまいます。
これが、PAシステムに致命的なダメージを与えてしまうことがあるのです。
ちなみに、マイクを叩くことによって大きな電気信号が発生してしまうというのは、ミキシングコンソールで確認ができます。
まずは、スピーカーからの出力をゼロにします。
その状態で自分の声を使ってマイクのゲイン(HA)を適切な音量レベルまで上げていきます。
この状態ではもちろんPEAK(CLIP)ランプは点灯していないと思います。
次にマイクをポンポンと叩いてみましょう。
すると、PEAKランプが点灯したりするのではないでしょうか?
これは、声よりもマイクを叩いた時の方が大きな電気信号がミキシングコンソールに入力されているという証拠です。
マイクを叩くことで発生しうる被害
マイクを叩くと必要に大きな電気信号が発生し、それがスピーカーから大きな音を出してしまうのですが、スピーカーから出せる音量には限度があります。
その限度を超えてしまうと当然のことならがスピーカーは壊れてしまいます。
ライブハウスなどにあるスピーカーシステムは、安くても数十万円、高いものだと数百万円という場合もあります。
そんなスピーカーシステムを「マイクを叩く」という行為にって壊してしまう可能性があるのだとうことを覚えておきましょう。
スピーカーから音が出ないライブハウスはもはや営業できません。
それは、店の経営への影響につながってきます。
大げさに書いていますが、これは実際に起こりうることです。
まとめ
「マイクを叩く」ということは、PAシステムの観点からいうと最悪の行為であって、その行為をすることで、スピーカーシステムを壊してしまう可能性があり、それはライブハウスなどの店の経営に影響を与えてしまう可能性があるのだということを認識した上でライブ活動をすることが重要ですね!