PA現場でのクレーム対処の方法
PAというのは、「良い音をお客様に届ける」というのと同時に、通常の生活音以上のレベルの音を出すという「非日常」のことをする事でもあります。
それ故に、音に対する苦情を受ける場合が多いかと思います。
そのようなクレームが入った時の対処法を考えていきたいと思います。
騒音苦情は避けられない問題
PAが必要となるようなイベントを行う際には、常に「騒音」のトラブルがつきまといます。
ホールなどの施設で行うイベントの際には、防音などがしっかりしているため、周辺からの苦情というのはほぼ無いと思いますが、野外で行われるイベントについては、ほぼ間違いなく苦情が来ることを覚悟した方が良いほど高確率で苦情が来ます。
大規模な野外ライブイベントなどでは、最新鋭のラインアレイスピーカーが用いられるなどして、周辺への音の拡散を最小限に押さえることが出来ていますが、全てのイベントでそのような環境が整っている訳ではありません。
それ故に、野外イベントでの苦情は避けられない問題であると言えます。
中小規模のイベントでのクレームの入り方
大規模なイベントの際には、苦情は主催者側に電話などで入る場合が多いかと思います。
しかし、中小規模のイベントになると、PAブースに直接苦情を言いに来る方もいます。
実際に、私もPAをしている最中に
「うるせーんだよーーーっ!!」
と大声で怒鳴られたことがありました。
初めて言われた時には、相当精神的なショックを受けましたが、何度か言われるうちに段々と慣れてきてしまいました。
そして、そのようなクレームを言ってくる方にはどう対処したら良いかを考えるようになりました。
問題を大きくしないための対処法
そんなことを考えているうちに、そのような方にはある共通点があることが分かってきました。
それは、
「自分の話を聞いてほしい」
と思っているということです。
クレームを言ってくる方の多くは、「イベントをぶち壊してやろう!」などとは思っていません。
自分の中でもやもやとしている気持ちを誰かにぶつけたいだけの場合も多いのです。
それが分かってしまえば、対処方法は簡単です。
「話を聞いてあげればよい」
それだけです。
これだけで大抵のクレームは収まります。
相手の言っていることがおかしくても、自分の意見を押し殺してその人の話を聞いてあげるのです。
これで相手はもやもやとした感情をすっきりとさせて帰っていきます。
もし、この時に反抗的な態度を取ってしまうと、収拾がつかなくなってしまいます。
相手は感情的になっています。そのような相手に感情で勝負すると非常に危険です。
PAをする人間がそのようなことをしていては、イベントも台無しになってしまいます。
「ただ話を聞いてあげる」これをすることで問題を解決することができるということを頭の片隅に置いておいてください。