PAオペレーターの武器は目ではなく耳
『PAオペレーターの武器は目ではなく耳』そんなことは分かっているという方もたくさんいらっしゃるかと思います。
しかし、多くの方は目でPAをしてしまっているように思います。
これが特に表れるのがイコライジング調整の時です。
イコライジング調整の時には上のようなイコライザーの画面を見ながら調整することになります。
この時に視覚情報をメインに調整をしている方は多いのではないでしょうか?
それはどういうことかというと、理論だけで調整をしてしまっているということです。
例えば「バスドラムのアタック成分は3.5kHzを3dBブーストすると強調できます」という理論を覚えていたとしましょう。
視覚情報をメインにPAをしている方はこの時にイコライザーの画面を見ながらそれを再現しようとするのです。
しかし、たいていの場合はうまくいきません。
なぜならドラムの材質、ヘッドの材質、ビーターの形状、ドラマーの叩く強さなどによって、アタック成分の出る周波数は変わるからです。
最終的にお客さんが評価するのは「音」です。
イコライザーの設定画面を見て「良いですね」と評価してくれるお客さんは一人もいません。
つまり、現場で鳴っている音に対して神経を集中させるべきなのです。
音作りに困った時のリセット方法
現場で音作りに困った時というのは、大抵は視覚情報に頼った調整をしている可能性が高いです。
そんな時は目を瞑ってイコライザーのツマミを動かしてみましょう。
すると「音」で変化が感じられます。
目を瞑ることで音に集中できるのです。
私も迷った時はこの方法を実践しています。
ぜひ活用してみてください。
耳は大切に!
PAオペレーターの武器である耳は、難聴などになってしまうものでもあります。
難聴になってしまうとPAオペレーターとしてのパフォーマンスも低くなってしまいます。
あまり大きい音を継続的に聞き続けると難聴になりやすいと言われています。
そして、ライブの会場において、PAオペレーター自身が「うるさい」と感じた音はお客様も「うるさい」と感じている可能性が高いです。
また、爆音系のPAというのは実は9割程度の人は望んでいないという事実があります。
お客様と自分自身の武器である耳のためにも「デカイ音」ではなく「迫力のある音」を目指して、耳に優しい音を出したいものですね。