発電のしくみ
私たちが普段使用している電気は、自然界に自動的に作られるものではなく人間が意図的に作り出しているものです。
その電気を作る場所が「発電所」なのです。
それでは、発電所ではどのようなことが行われているのでしょうか?
その前に、まずは元気を作り出す「発電」の原理をご説明します。
発電の原理
発電の原理は簡単に言ってしまうとモーターが動く原理と逆のことをするのです。
モーターは電気を流すことで回転します。「ということは、何らかの力によってモーターを回してあげれば電気ができるでしょ?」と考えていただけると発電というものが分かりやすくなるかも知れません。
もう少し詳しく説明すると、発電には「電磁誘導」という法則が使われています。
これは、コイル(電線を巻いたもの)の中で磁石を動かすと電気が発生するという法則です。
これを大規模に行っているのが発電所だと思ってください。
ただし、発電所では、上図のように磁石を上下に動かすようなやり方で電磁誘導を起こしているわけではないのです。
下図をご覧ください。
これは、自転車のライトに付いている発電機のしくみです。
磁石が回転することで電磁誘導を起こしていることが分かります。これと同じことを発電所で行っているのです。
磁石を回転させる方式を取っているのは、上下させるよりも圧倒的に発電効率が良いからです。
発電所の種類
発電機のしくみはご理解していただけたのではないかと思います。
それでは、世の中には様々な発電所が存在します。
メジャーなところだと火力発電所、水力発電所、原子力発電所、風力発電所などがあります。
これ以外にも様々な種類の発電所があるのですが、実はどの発電所でも最終的に電気をつくる方法は一緒なのです。
コイルの中で磁石を回転させて電気を作るという部分は一緒です。
それでは、どの部分が違うのでしょうか?磁石を回転させるためにはエネルギーが必要です。
実は、発電所によってこの磁石を回転させるエネルギーの作り出し方が異なります。
一番分かりやすいのは風力発電です。
風力発電は風の力によってプロペラを回し、その力を利用して磁石(発電機)を回しています。
火力発電や原子力発電は、熱によって水をあたため、その水蒸気でタービンと呼ばれるものを回しその回転力によって発電機を回しています。
このように、発電機自体の基本的なしくみは「電磁誘導」による発電方式で、その発電機をまわすためのエネルギーの違いが発電所の種類の違いだということを覚えておいてください。