音作りの強い味方「コンプレッサー」とは?

コンプレッサーとは日本語でいうと「圧縮装置」のことです。

よく自動車整備工場などには工具(エアツール)を動かすためのエアー(圧縮空気)が用意されている場合が多いです。

このような空気を圧縮する装置をコンプレッサーと言います。

一方、PAの世界で用いるコンプレッサーは「空気」ではなく「音」を圧縮する装置のことを指します。

「音を圧縮する??何の目的にそんなことするの?」という疑問をお持ちになると思うのでご説明いたします。

コンプレッサーの使用目的

コンプレッサーの主な使用目的は以下の3つです。

  1. ボーカルなど急なシャウト音の入力がマイクからあった際にPA機材に影響が出ないように音量レベルを抑える
  2. 飛び出ている音を圧縮して音のツブを揃える
    (ギターのカッティングなどに有効)
  3. 音を圧縮して音圧を高める
    (バスドラムの音の音圧アップなどに有効)

ボーカルなど急なシャウト音の入力がマイクからあった際にPA機材に影響が出ないように音量レベルを抑える

ライブ中に予想もしないシャウトをボーカルがやってしまうことがあります。

そうすると、いきなり大きな信号がミキサーに入力され、スピーカーから必要以上に大きな音が出てしまいます。

それ以外にも、キーボードなどのライン系の楽器で、リハーサルで出さなかったような大きな音をミキサーに送ってしまい、スピーカーから大きな音を出してしまう場合もあります。

どちらの場合も、会場にいるお客さんに必要以上に大きな音を聞かせてしまったり、最悪の場合は音響機器の破損にもつながりかねない事件です。

この対策としては「とっさに音量を下げる」ということになりますが、何の前触れもなく行われたシャウトだと人間の反応速度では全く追いつきません。

そんな時に重宝するのがコンプレッサーです。

規定以上の音が入力された際に音を圧縮する(抑え込む)設定にしておくと、瞬間的なシャウトによる過剰な入力信号にも対応できるのですね。

これは便利です。

飛び出ている音を圧縮して音のツブを揃える

このコンプレッサーの使い方は、PAオペレーターが使うというようよりは、ミュージシャン側で使用する場合が多いかもしれません。

ギターのカッティングなどをする際には、「チャカチャカ」という音の粒が揃っていた方がかっこいいのですが、演奏側でそれを均等に揃えるのは至難の業です。

そこで、コンプレッサーをギターのエフェクトボードの中に入れてあげて飛び出た音を圧縮するようなコンプレッサーの設定をすると、カッティングの粒が揃い、とてもカッコいいサウンドになります。

コンプレッサーはこのような使い方もできるんですね。

音を圧縮して音圧を高める

この使い方が、最も多用する使い方です。

必ず使うのがバスドラムの音作りです。

私の場合は、バスドラムは「イコライザー」「ゲート」「コンプレッサー」を使用して音作りを行なっています。

イコライザーは、バスドラムのモワッとして中域をカットして高温域のアタック成分をブーストするための使います。

ゲートは、バスドラムのアタック感を強調するために使用します。

そして、コンプレッサーは、バスドラムの音を圧縮し、音圧を上げるために使用します。

コンプレッサーの代表的な使い方は、以上のようなものです。

より具体的なコンプレッサーの使い方を知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧いただければと思います。

まとめ

コンプレッサーの主な使われ方は今回ご紹介した3パターンです。

コンプレッサーは、かけすぎると不自然な音になってしまうという扱い方の難しさもありますが、しっかり使ってあげると強力な武器になるエフェクターです。

ぜひ、使い方をマスターして音作りの幅を広げましょう。