パワーアンプとは?
家庭用のオーディオであれ、大規模なPAシステムであれ、スピーカーから音を出すために必ず必要なのが「パワーアンプ」です。CDプレーヤーやマイクなどから入力された音をそのままスピーカーに送っても音は出ません。それは、スピーカーを動かすだけのパワーが無いからです。この信号をスピーカーを駆動できる大きさまで増幅するのがパワーアンプの役割です。
これは、家庭用のオーディオです。このようなオーディオはCDを入れる本体の背面から線を一本繋ぐだけで音が出ます。「パワーアンプはどこにあるの?無いのではないか?」と思われるかもしれませんが、実は、本体の中にパワーアンプが内臓されているのです。PAの世界でも似たようなものがあります。以下の写真をご覧ください。
これは、一見普通のミキサーのように見えますが、パワーアンプを内蔵した「パワードミキサー」なのです。ちなみに、スピーカー側にアンプを内蔵した「パワードスピーカー」というものもあります。(以下の写真参照)
近年では、パワードスピーカーというものも増えてきています。パワードスピーカーの良い点は、スピーカーの製作メーカーがスピーカーにマッチしたパワーアンプをパッケージングしているため、スピーカーとパワーアンプの相性が良いというところです。また、パワーアンプを別に用意する必要が無く、狭い会場での使用も可能になります。
パワードミキサーやパワードスピーカーというものがあるものの、現在の主流としては、パワーアンプとスピーカーはセパレートになっているものを使用するという方法です。
セパレートすることで、相性の良い優秀なスピーカーと優秀なパワーアンプを自由に組み合わせることが出来ます。また、パワードスピーカーを使用する場合、それぞれのスピーカーに対して電源を引かなければならないのに対して、セパレートで対応するとパワーアンプを一か所に集中させることができるため、電源をそれぞれのスピーカーまで引く必要がありません。
このように、スピーカーから音を出すためには、必ずパワーアンプが必要で、そのパワーアンプはミキサーや再生機器、スピーカーに内蔵されている場合とスピーカーと別にパワーアンプが必要な場合があります。ただし、PAの業界においては、基本的にはスピーカーとパワーアンプが別体のセパレートタイプのPAシステムが主流です。