マイクケーブルの構造と特徴
PAシステムを構成する上で、最も多くの本数を使用するのがマイクケーブルです。
マイクとミキサーを接続するために使われ、マイク1本に対して1本のマイクケーブルが必要になります。
その他にもミキサー周辺の機材の接続にはマイクケーブルが用いられます。
それぞれの用途に応じて長短様々な長さのマイクケーブルが用いられます。
マイクケーブルの構造
マイクケーブルに流れる電気エネルギーは、ミリボルト単位、大きくても2ボルト前後と小さいため、外からのノイズを受けやすくなっています。
その対策として、芯線の周囲に金属メッシュを用いたシールド処理が施されています。
さらにその外側を外皮が囲んでいるという構造になっています。
芯線は2本のものもあれば4本のものもあります。
バランス伝送方式
シールドというのは文字通りですが、ケーブルの周囲からの影響を遮蔽するための楯の役割を果たすものです。
車に乗っている時に、トンネルに入るとラジオが途切れてしまうことがあると思いますが、これは、トンネルの外壁がシールドとなって電波を遮ったからです。
これをケーブルレベルで実現しているのがマイクケーブルの構造と思っていただければわかりやすいかと思います。
このようなノイズ対策に加えて、更なる対策がマイクケーブルには施されています。
それは「バランス伝送」と呼ばれる伝送方式を使っていることです。
バランス伝送方式というのはノイズに強い伝送方法で、現在はこれが主流となっています。
1本のマイクケーブルの内部には、2本の芯線が入っています。
バランス伝送方式では、それぞれの芯線にホット/コールドと呼ばれる逆位相の信号を流します。
その伝送途中で乗ってしまったノイズは、最後の合成段階(図中のMIXの段階)で打ち消される仕組みになっています。
バランス伝送方式は、大きな機構を必要としないシンプルな伝送方式ながら優秀な伝送方式なため、現在では広く用いられているのです。
マイクケーブルに用いられるコネクター
マイクケーブルの両端に取り付けられているコネクターというのはXLRタイプ(キャノンコネクター)と呼ばれ、3ピンの構造をしたコネクターを使用しています。
構造は以下の図をご覧ください。
XLRコネクターには、「オス」と「メス」があります。
オスはピンが出ている構造になっているのに対して、メスは、オスのピンを受ける穴が空いている構造になっています。
ルールとしては、「出す側をオス」「受け側をメス」というのが基本です。
このように決めておくことによって、配線が不足した際にも容易に延長することができるのです。
XLRの3つのピンは、それぞれ「1.GND」「2.HOT」「3.COLD」となっており、GNDについてはシールド部に接続され、HOTは正相の信号、COLDは逆相の信号に接続されます。
これらのピン配置は、1992年にAES(Audio Engineering Society Inc.)によって国際基準として規格化されています。
しかし、それ以前は3番HOTの機器と混在していたため、ビンテージ機器などを使用する際には注意が必要です。
また、PAで用いられるマイクケーブル用のコネクターはXLRコネクターだけではありません。
他にも2極、あるいは3極式のフォーンプラグやRCAピンプラグなどもあるため、それぞれに対応できるように変換プラグまたは変換ケーブルを持っておくことが必要です。