スピーカー設営の基本



PA用のスピーカーというのは、家庭用のスピーカーとは比べて大きく重量もあります。
そのため、PA用スピーカーを設置する際には「音」の観点とあわせて「安全」の観点も必ず考慮しなければなりません。
PA用のスピーカーを設営する方法は大きく分けて3通りあります。

  1. スタンドに立ててスピーカーを設営する
  2. 床または、架台の上にスピーカーを設営する
  3. 天井、トラスなどから吊るして設営する

スタンドを利用したスピーカーの設営

スタンドを利用して設営できるスピーカーというのは、小~中型のスピーカーになります。
重量も大きくても30kg程度になります。
小規模のイベントでは大抵はこの方法でスピーカーが設営されます。
スタンドを使用した時に注意しなければならないのがスタンドの転倒です。
もし転倒した時にそこにお客さんがいたら、上から30kgの塊が上から落ちてくる訳なので間違いなく怪我します。
絶対にそのような事故を起こさないように設置することが求められます。
そのためにはスピーカースタンドの三脚部をしっかりと広げ、下図のような形で設置することをオススメします。
三脚の脚のうちの一本が正面を向くように設置することで、もしスピーカーが転倒してもお客さんに直接当たることを防ぐことができるためにこのように設置します。
図3
また、設置するスピーカーの高さは下図のようにします。
スタンドを使用して設営するスピーカーというのは基本的にはフルレンジスピーカーと呼ばれる中低音を発生させるウーファー(スピーカー下部の大きいユニット)と高音を発生させるツイーター(スピーカー上部の小さいユニット)がついています。
このようなスピーカーをスタンドを用いて使用する際には、ツイーターの音がお客さんの顔の高さにならないようにしましょう。
理由としては、ツイーターの音は直接聴くとキンキンしてうるさいためです。
従って、下図のようにウーファー部分が顔の高さになるようにスピーカーの高さを調整すると良いでしょう。

図5



床または、架台の上にスピーカーを設営する

ライブの規模が大きくなってくると、スタンドで設営できないほど大きなスピーカーを使用しなければならないようになります。
その際には、床に置いたり、架台(足場のようなもの)を組んでその上にスピーカーを設置したりします。
この設置方法はスピーカーの構成によって千差万別です。
ここでは、サブウーファー、フルレンジスピーカーの2対向を架台の上に設置するという構成を例にして説明していきます。

図6

上図のように、架台上にスピーカーを配置します。
この時に必ず安全対策として「ラッシングベルトを取り付ける」ということを実施してください。
これは、スピーカーのズレや崩れ防止するために行います。
ちなみにラッシングベルトとは以下のようなものです。
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トラックの荷物を固定する際にしようすることが多いかもしれません。
ベルト部とラチェット部がセットになっていて、ラチェット機構によりベルトを締めていくというしくみになっています。
スピーカーの設置の高さとしては、スタンド設営時と同様にフルレンジスピーカーのウーファー部分が顔の高さになるのが理想ですが、このような規模のイベントの場合はスピーカーとお客さんとの間にある程度の距離がある場合が多く、このような場合は音が広がるため、そこまでシビアに高さにこだわる必要は無いかと思います。

図7

天井、トラスなどから吊るして設営する

この方式はラインアレイスピーカーというスピーカーを設置する際に用いられます。
ラインアレイスピーカーは以下の写真のように、複数のスピーカーを縦につなげることで構成します。
このようなスピーカーは大規模な会場で使用されることが多く、また価格も高価なため、アマチュアレベルではあまり使用されません。
また、設置方法もかなり専門性が高いため、このサイトでは触れないことにします。

以上がスピーカーの設営についての説明です。
PAにおけるスピーカー設置というのは「良い音を届ける」というのと「安全を確保する」という2つのことを両立できるようなにすることが重要です。