要望の真意を捉える重要性


PAをしていると、ミュージシャンの方から様々な要望をいただきます。しかし、その多くは非常に「曖昧」なものが多いのです。
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例えば以下のようなものがあります。

「抜けの良い音にしてもらえますか?」

こう言われた時、PAオペレーターは様々なことを想定する必要があります。例えば、

  • 自分のパートの音が聞こえていないため言っている
  • リハ中に客席に行き、外音を確認した結果言っている
  • 知っている感を出したいために、意味もなく言っている

こんなところでしょうか。そのミュージシャンの方がどんな意図があって「抜けの良い音にしてもらえますか?」と言っているのか?それによって対応方法が異なるのです。
まずは「抜けが悪い」と感じている音が中音(モニター音)なのか?外音(客席に向けた音)なのか?で大きく対応が異なります。中音なのであれば、対象のモニタースピーカーに返っている音のバランス、音質を見直す必要があるかもしれません。外音なのであれば、中高域のバランスを確認し、それでも問題ないようであれば対応したふりをして無視しても良いかもしれません。理由は、客入れ時に外音は大きく変わるためです。リハーサルではある程度客入れ時の音響特性をイメージしながら音作りをするものの、お客さんが入った時に必ず補正をかけなければいけないのです。
次に、調整を繰り返しながらミュージシャンとコミュニケーションを取るのです。ここでしっかりコミュニケーションが取れていないとミュージシャンが「本当に伝えたこと」が分かってこないのです。
私もミュージシャンとしてステージに立ったときに、あまり印象の良くないPAオペレーターの方に対応していただいたことがありました。その方は、こちらが要望を伝えても何も言わず、無言で作業をしていました。通常、「了解しました!少しギターの音を上げましたので、次の曲をワンコーラスやってもらって確認してみてください」と言うように、コミュニケーションをしながら調整を進めていきます。要望したにも関わらず、返事が返って来なかったら、不安になると同時に不信感を抱きます。ものすごく当たり前ですが、ものすごく重要なことなので「コミュニケーション」はしっかりと取ることを心がけましょう。
リハーサルにおいて、PAオペレーターは多くの作業をしなければならず、コミュニケーションに意識がいかなくなるというのは、分からないでもないですが、意識視してすることが重要です。

ミュージシャンが使う言葉とPAオペレータが使う言葉は異なる場合が多いです。
「バスドラのパンチが出るように低音を上げてください」というミュージシャンの要望に対して、PAオペレーターは「バスドラのパンチを出すためには低音ではなく、中高音のおいしい部分をブーストしよう」となる訳です。このように、ミュージシャンの言葉をそのまま対処すると結果がうまくいかないことが多いのです。ここから分かるように、「ミュージシャンの言葉」を「PAオペレーターの言葉」に変換できる能力が必要です。

これは、経験の中で鍛えられるものだと思いますので、ぜひどんどん現場に出て経験を積むと言うことを積極的にしましょう。

 


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