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PAシステムのプランニング


一口にPAシステムのプランニングとは言っても、時間、場所、内容、規模に合わせたプランが必要です。10畳の部屋で行うミニライブに3000wのクラスのスピーカーは必要ありません。その場その場に合わせたプランというのがPAシステムのプランニングには求められます。
以前は、PAをする際には、どんな会場であれPA会社、オペレーターの持ち込みが基本でした。しかし、近年では、PAの重要性が徐々に理解されつつあり、会場にしっかりとしたPA機器を常設するような会場が多くなりました。
主催者側からPA費用の削減のために「会場の音響機器を使用してください」という依頼を受けることがあるかもしれません。その際に、「常設機材だけで今回のイベントに対応できるのか?」「追加で持ち込む機材は何なのか?」というのをPAオペレーターが判断する必要が出てきているのです。そのような臨機応変な対応が求められているのです。

PAにやり直しは無い

PAをする上で絶対忘れていけないのは、PAに「やり直し」という概念が無いということです。つまり、失敗は絶対に許されないということです。
この時に頭に置いておいてもらいたいということは、「PAの本質を忘れない」ということです。PAはPublic Addressの略であり、大衆への拡声という意味があります。つまり、お客様に届けたい音を届けることがPAの本質なのです。この目的を忘れて自己満足なPAシステムを構築することだけは避けなければなりません。高級な機材を使用しているからといっても、それが必ずしもお客様にとって良い音になるとは限らないのです。この大前提を常に頭に置いてPAシステムのプランニングを行うようにしましょう。

PAシステムプランニングの注意点

依頼を受ける〜当日まで
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①現場(仕事)の依頼
お客様から仕事の依頼を頂いたら、まず、日時、会場やコンサートの規模、内容(バンドのライブイベント、トークショー、式典等)、予算などを確認しましょう。この段階でPAシステムのおおまかなコンセプトを提案できるようになります。
②場所の確認
ホールかライブハウスか、野外かなどの場所を確認し、必要に応じて平面図などの資料を揃えましょう。
③打合わせ
会場側との打ち合わせを行いましょう。特に初めてPAする会場の場合は、入念に打ち合わせを実施しましょう。また、事情が許す限り下見を兼ねて現地に足を運ぶのが望ましいです。この下見によって会場に常設の機材を使用するかどうかの判断をすることができます。
打合わせ時にはPAで使用する総電源量を伝え、使用できるかどうかを確認します。また、電源の場所、容量、コネクターのタイプも確認しましょう。
④プランニング
依頼内容、下見の情報を基にPAシステムのプランニングを行っていきます。この時に一番シビアなのは予算になると思います。どんなイベントでも予算には制限があります。その予算内に収まるように無駄な機材を使用していないかをチェックしていきます。同時に仕込み図や機材リスト、PA専用のタイムシートを作成しましょう。
⑤リハーサル
稽古やリハーサルに出向き、出演者との打合わせを行います。
⑥最終打合わせ
リハーサルや打合わせによって、発覚した追加機材や変化点の修正を行います。変更内容は、ホールスタッフと主催者に連絡をしておきましょう。

当日〜セッティングまで
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①搬入の手順
大きいライブの場合は、制作、舞台監督がいる場合がほとんどですので、その方の指示に従い、搬入を行ないます。当日の搬入は音響だけでなく、照明、映像、特効、楽器など様々なチームがいますので、音響の持ち時間内に機材搬入をできるよう迅速に対応する必要があります。
②搬入時の注意
他のチームの搬入物もあるため迅速に行ないます。アルバイトや手伝いスタッフをうまく使い、効率良く搬入できるようにしましょう。その際に、どの機材をどこに運ぶのかの指示を明確にしましょう。運搬場所の指示をするスタッフを一人つけると効率的です。運搬の際には、会場の床や壁に傷をつけるといったことは厳禁です。
③PA席の作り方
PA席はホールなどの音響室を使用する場合もあれば、客席の一部をPA席とする場合もあります。その場合は、ミキサー専用のテーブル、または、会場の備品の長テーブルなどを使用する場合が多いです。この際に、机に傷がつかないように布やゴムシートなどで養生をすると良いでしょう。長テーブルなどは音響専用ではなく、他の用途でも使われるので、傷は厳禁です。
また、周辺機器を収納した機材ラックはあまり積み上げない方が良いでしょう。PA席の後ろに座席がある場合もありますので、視界の妨げになってしまいます。
④マルチケーブルの引き回し
マルチケーブルの引き回し方法については、会場で指定がある場合が多いです。通常は大外回しとと呼ばれる方法で行ないます。大外回しというのは、ステージから客席横の壁面を這わせてから、PA席前の段差を這わせていく方法です。
会場入り口や人が通るところには、マットやシートをかけて養生しましょう。
また、マルチケーブルは照明のケーブルとは平行に這わせないことが重要です。平行に這わせると照明のノイズが乗る可能性があります。やむを得なく一緒に這わせる場合でも平行に這わせるのは避けてクロスさせるようにしましょう。
⑤メインスピーカーのセッティング
スピーカーは持ち込みの場合は、ステージの両端に積み上げるのが一般的です。そして、客席全体をカバーできるように角度などを調整しましょう。積み上げたスピーカーは不安定なため、ラッシングベルトなどで固定を行う必要があります。
⑥パワーアンプラック
パワーアンプラックはスピーカーの裏、もしくはステージ袖に起き、出入りや進行の邪魔にならないような場所に設置します。大電流を扱う機材なので、濡れた場所への設置は感電防止のために避けるべきです。

 


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