ユーザーメンテナンスとは?

PA機器は過酷な状況で使われる場合が多く、特に野外などは湿気やほこりが多く存在している場所で使用したりする場合には多少なりともダメージを受けてしまいます。

例えば、ミキシングコンソールのフェーダーにほこりがたまってしまうと、正常な動作をしなくなったり、使用不可能になってしまったりします。

そのようにならないためにも定期的なメンテナンスが重要なのです。

このようなメンテナンスを適切に行わなければ、そのPA機器の性能を常に最大限に発揮させることはでません。

メンテナンスは大きく分けると2つのやり方があります。

  • メーカーや輸入代理店などが行うメーカーサービス
  • ユーザー自身が行うユーザーメンテナンス

メーカーサービスについては、基本的にはメーカーに機材を送り、プロにメンテナンスをしてもらうというやり方なので、メンテナンスの作業については自分ですることはありません。

その分お金はかかってしまいます。

また、機材を預けておく期間が長いというデメリットもあります。

純粋なメンテナンスの作業という観点ではメーカーサービスを利用するのが理想かもしれませんが、お金や時間のデメリットがあることも事実です。

そんなデメリットを解消するのがユーザーメンテナンスです。

ユーザーメンテナンスのメリットとデメリット

ユーザーメンテナスは、自分で機器のメンテナンスを行うため、メーカーに機器を送る必要もありませんし、もちろんメンテナンス費用を払わなくても良いので経済的です。

資金が潤沢な大きなPA会社であれば良いですが、アマチュアでPAをやっている場合は潤沢な資金を持っていることはあまりないでしょう。

そのような人にとっては、ユーザーメンテナンスは非常に役に立つものです。

しかし、デメリットもあります。

それは、「ユーザーがメンテナンスできる機材(部分)は限られる」ということです。

機材のメンテナンスについての知識が無いまま、適当に分解してしまうと、機材のメンテナンスをするどころが、逆に壊してしまう可能性すらあります。

これでは、本末転倒です。

ユーザーメンテナンスをする上で需要なのは、自分が理解できている範囲でのメンテナンスをすることです。

経験を積んでいき、できるメンテナンスの幅を広げていくというのが理想的かもしれません。

 

メンテナンスノートを使用する

PAの現場においては、いくら事前に気をつけていてもトラブルは多かれ少なかれ発生してしまします。

この発生したトラブルに本番中に適切に対処できることはもちろんですが、この起こってしまったトラブルを次の現場に持ち込まないことがもっと重要です。

トラブルが起こった状況ができるだけ鮮明に記録されていれば、その後の対策が取りやすいのです。

その記録するツールが「メンテナンスノート」なのです。

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このメンテナンスノートにできるだけ鮮明に発生した状況が記載されていれば、その後、適切な対策を取れるのです。

忙しい現場ではあるのですが、必ず記録するようにしましょう。

アシスタントなどがいる場合は、記録をアシスタントに任せても良いかもしれません。

また、スマホの時代ですので、メモ帳機能やボイスメモなどの機能をうまく活用して記録を取っても良いかもしれません。

大事なのはその時の状況が、いかに詳しく記録できるかということです。

メンテナンスノート記入時のポイント

メンテナンスノートを記載する際には、擬音をうまく使用すると良いです。

例えば、「ミキサーの12chのフェーダーを上げるとノイズが出る」というより、擬音を用いて「ミキサーの12chのフェーダーを上げると、ザーというノイズが出る」と記載した方がどんなノイズが出ているのかが分かります。

ノイズを表す言葉としては、「サー」「ジー」「ブー」と言ったものがあります。

あとで見たときに自分でわかりやすい表現をしていただければ問題ありません。

メンテナンスを自分でチャレンジする癖をつける

メンテナンスは、非常に難しい仕事です。

しかし、多くの場合、専属のメンテナンスエンジニアを抱えることは難しいのが現場です。

特にアマチュアのPAオペレーターであれば尚更です。

だからといって、少し不具合が出るたびにメーカーに修理依頼をしていたのでは費用も時間も浪費していしまう可能性があります。

だからこそユーザーメンテナンスが重要なのです。

機材に不具合が出た時はまずは、蓋を外して中を見てみましょう。

案外、基盤のコネクターが外れかかっていただけだったりすることもあります。

故障の1/3は物理的なトラブルだと言われています。そのような故障は、電気回路などの専門知識が無くても修理できたりします。

パーツを一つ交換して修理完了なんて場合もあります。

自分でやってみるというチャレンジ精神を持ってメンテナンスに挑むことで、機材に対する愛着と知識が増すことでしょう。