ノイズの原因「吹かれ」とは?

マイクは、拾いたい音だけを拾ってくれるのが理想ですが、実際にはそんなわけにはいきません。これらの「拾いたくない音」のことをノイズと呼びます。

マイクが拾ってしまうノイズは何種類かありますが、このページではそのひとつである「吹かれ」について書いていきたいと思います。

吹かれとは?

吹かれというのは、風がマイクに当たってしまった際に「ボボボ」や「ボッ」という音が入ってしまうことを言います。室内でのイベントであれば、送風機などを使って意図的に風を送り込まない限りは、基本的に風は存在しないので、あまり問題になりません。しかし、野外で行われるイベントにおいては、風がマイクに当たる可能性が出てきますので、吹かれに対する対策を実施することが求められます。

また、「吹かれ」という現象は、吹いている風だけが原因ではありません。実は、ボーカリストが歌う時などに吹かれが発生する可能性があります。特に「パ」「ポ」「フ」といった言葉を発するときには、マイクに対して強く息が吹きかかるため、吹かれが発生してしまいます。吹かれの中でもこのノイズを「ポップノイズ」と呼びます。PAではそこまで大きな影響はありませんが、レコーディングなどにおいては、ポップノイズは非常に嫌なものとなってしまいます。

「吹かれ」に対する対策

このような「吹かれ」に対する根本的な対策方法は、マイクに強い風を当てないこと。野外ライブで言えば「風が吹かないこと」。
しかし、こればかりは人間がコントロールできるものではありませんので、風は吹いてしまうという前提で対策を考える必要があります。最も簡単にできる対策としては、マイクの設置してある位置や向きを変えてみるということです。これで解決すれば良いですが、これも風向きが変わった瞬間に一気に効果が薄れてしまうこともあります。
そこで、一般的に行われる吹かれ対策としては、ウィンドスクリーンと呼ばれるカバーをマイクに取り付けるという対策です。

ダイナミックマイクであれば、以下のようにマイクのヘッドにかぶせる形で使用します。

コンデンサーマイクも同様に先端の部分にかぶせる形で使用します。

この対策をすることで、マイクに直接強い風が吹きかかるのを防ぐことができ、結果として吹かれの解消に繋がります。

また、ミキサー側で低音域をカット(ローカット)することにより吹かれによって発生したノイズを軽減するということもできるので、お試しいただければと思います。

まとめ

吹かれに対する完全な対策というのはありません。吹かれの影響をいかに小さくできるか?という視点でマイクの設置位置を工夫するなり、ウィンドスクリーンを使用するなり、ミキサー側でのイコライジングを工夫するなりしてみることが重要です。
まずは、これらの対策を自分でトライしてみましょう。