電線の抵抗値について

「電線にも抵抗があるの?」と思われる方も多いかと思いますが、そう思われても不思議ではありません。
なぜなら、電気回路の計算をする際には電線の抵抗は無視しているからです。
なぜ無視できるかというと、無視できるくらい小さいからです。
電気製品の内部にある基盤の配線などにおいては、配線の長さが非常に短いため、無視しても何ら影響はありません。
しかし、PAで行うような100mの配線を行なうという場合には話が変わってきます。
そして、「音」という繊細な電気信号を扱う場合には更に状況は深刻になります。

それでは、電線の抵抗について書いていきます。
抵抗が長さが1mで抵抗が1Ωの電線があったとします。

k21t-resistor0201

この電線の長さが2倍の2mになると抵抗は倍の2Ωになります。

k21t-resistor0202

逆に長さが半分の0.5mになると抵抗は半分の0.5Ωになります。

k21t-resistor0203

それでは、電線の太さが2倍になったらどうなるでしょうか?
この場合は、抵抗は半分の0.5Ωになるのです。

k21t-resistor0204

逆に太さが半分になると、抵抗値は2倍の2Ωになります。

k21t-resistor0205

このように電線の抵抗というのは変化していきます。
音響用のケーブルにおいて電線の抵抗というものは音を劣化させてしまう要因です。
上で説明した理論でいくと、電線は、「太く短い方が良い」ということになります。
音響に限らず、高級なケーブルというのは太いものが多いです。
購入オーディオの電源ケーブルなどは、まさにそのような感じです。

PAでより良い音をスピーカーから出すためには、ケーブルに対する対策も必要です。
コストが許す限り太いケーブルを使用し、配線長もできるだけ短くできるように工夫することが必要です。