野外イベントでは油断は禁物

春〜夏にかけては全国各地で野外イベントが開催されます。

そして、そのイベントに合わせて野外PAという業務も発生します。

基本的な野外ライブで注意しなければならないことは、こちらの記事で解説しておりますので参考にしていただきたいのですが、こちらの記事では、以前に私が経験したイレギュラーな失敗談を元に野外ライブで注意すべき点を書いていこうと思います。

中途半端に屋根がある会場での野外ライブでの出来事

ゴールデンウィークに行われたあるイベントは、屋根付きの商店街の一角で行われたイベントでした。

ステージの背面には壁が無く、強め雨と風が吹けば雨が吹き込んで来てしまうような会場でした。

位置関係の概略は以下のような感じでした。

演奏エリアの袖でオペレートをするようなセッティングでした。

イベントも終盤の夕方4時くらいに空がいきなり暗くなり、雷とともに豪雨が降り始めました。

基本的に、客席と演奏エリアの上には屋根があるのですが、演奏エリアの背後は壁も何も無く雨が吹き込むと濡れてしまうような感じでした。

案の定、雨風が強くなり演奏エリアに雨が吹き込んできました。

スタッフ全員で演奏エリアに置かれている楽器類やマイクなどを撤収し、とりあえず吹き込んでくる雨からは機材を保護することができました。

こうして一安心していたのですが、PAブースのところに戻ってみると・・・

ミキサーの上に水がたくさんかかっているではないですか!!

電源は切っていたので、ショートするなどの現象は起こりませんでしたが、完全にミキサーはご臨終だと思って肩を落としておりました。

結果的にその後の処置により、ミキサーは無事に復活したのですが、最悪はミキサーが使えなくなる状況になるところでした。

そして、今回、雨が吹き込んでいない場所に置いてあったミキサーがなぜ濡れてしまったのかが気になると思います。

その原因は「雨漏り」でした。ミキサーが置かれている場所だけがピンポイントで雨漏りしていたのです。

この会場でオペレートすることは何回かあったのですが、過去には一度も雨に降られたことはなかったので、雨漏りポイントを把握できておりませんでした。

「屋根があるので安心」という考えだけでミキシングコンソールの雨対策は一切してなかったことが今回のような事態を招いてしまいました。

この経験からの教訓

この経験から学んだ教訓は「屋根があっても安心してはいけない」ということでした。

特にこの事件で被害を受けた機材がミキシングコンソールだっただけに、インパクトが大きいものとなりました。

例え、今回のような屋根のある会場であったとしても、「雨漏れは起こるもの」として、ビニールシートをかけるといったような雨に対する対処をすべきだったと強く感じたことを覚えています。

「そんなことは当たり前だ」と思う方もいらっしゃると思いますが、私のような苦い思いをしてしまう方が出ないようにこの記事を書かせていただきました。