
ライブはミュージシャンとPAオペレーターのセッション
ライブを行う時には、多くの場合はPA機器が必要になります。
そして、そのPA機器を操作するのがPAオペレーターです。
ミュージシャンは、自分たちの曲をお客様に聞いていただいて楽しんでいただくために精一杯演奏します。
同様にPAオペレーターは、お客様に出来るだけ良い音を届けることができるようにミュージシャンが出す音をマイクで拾い、ミキサーや各種エフェクターを使って適切な処理をした後にスピーカーから音を出力します。
つまり、ミュージシャンとPAオペレーターの息がしっかりと合わないとお客様に良い音を届けることができないということです。
ミュージシャンとPAエンジニアはケンカしている場合ではない
私は、ライブをやっている時にミュージシャンとPAオペレーターがケンカしている光景をたくさん見てきました。
「ミュージシャンの要望に応えないPAオペレーター」と「PAの意見を聞かないミュージシャン」がぶつかり合うとこのようなことが起こるのではないでしょうか?
しかし、ライブの本来の目的は「お客様に良い音を届けること」です。
ライブにおいて「良い音」というのは、ミュージシャンとPAオペレーターが協力しないと出せないため、演奏を聴きに来ていただくお客様のことを考えたらケンカなどしている場合ではないのです。
お互いの言い分を言い合うのは良いと思います。
ただし、それが「ケンカ」となってしまうとまずいのです。
ここで言う「ケンカ」というのは、お互いが感情的になってしまう状態のことを指します。
感情的になった人間の間からは良い答えは出てこないのです。
お互いの言い分をしっかりと聞く、そして察する
ミュージシャンとPAオペレーターがうまく協力して「良い音」を作るためには「お互いの言い分をしっかりと聞く」ということが非常に大切です。
ミュージシャンは、自分の要望を正確にPAオペレーターに伝える工夫をする必要があります。
「そんなこと言わなくても分かるだろう」ということでも、しっかりと言葉にして伝えてあげるとうまくいきます。
一方、PAオペレーターもミュージシャンが発するメッセージを的確に捉えてあげましょう。
多くのミュージシャンは音の要望を伝えるのが下手です。
例えば、「バスドラの低音にパンチが欲しいです!」という要望がミュージシャンからあったとします。
ここで低音域をブーストしてはダメです。余計パンチがなくなってしまいます。
このような時は中高域のアタック音の成分をブーストしてあげるのが正解です。
このように、ミュージシャンの要望とPAオペレーターが実際に調整する内容にはギャップが発生することがあります。
ミュージシャンの要望の「真意」を捉えることで、良い結果が得られます。
このように、ミュージシャンとPAオペレーターは、お互いの伝えたいことの「真意」をしっかり捉えてライブの音作りをしていく必要があります。
これはまさに「セッション」です。お互いの息を合わせないと実現できないことなのです。
こんなことにも注意しながらライブで良い音を出していきましょう。