配線を効率化する「マルチケーブル」の構造と特徴



マルチケーブルは、「マイクケーブルを複数本まとめたケーブル」だと思っていただければ問題ありません。
通常、ミキサーとステージとの距離はある程度離れている場合が多く、その間を一本一本マイクケーブルを這わせていたら、いくら時間があっても足りません。
そこで使用するのがマルチケーブルです。
マルチケーブルにはいくつか種類があるのですが、最もスタンダードなのは「カナレ」のマルチケーブルシステムです。
ここで、「システム」と呼ぶのには理由があります。
基本的には「マルチケーブル」といった時には、以下の写真の左にあるようなケーブルのみを指します。
しかし、このケーブルだけでは実際の現場では使えません。
通常は、先端に「コネクターボックス(以下の写真右側)」というものを取り付けて使用します。
このコネクターボックスを取り付けることで、初めてマイクのケーブルを接続できるようになります。

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それでは、何種類かあるマルチケーブルシステムをご紹介していきます。

マルチケーブルシステムの種類

CANAREマルチケーブルシステム

マルチケーブル業界で最もスタンダードなのがカナレ電気が販売しているCANAREマルチケーブルシステムです。
日本中で多くの方がこのマルチケーブルを使用しています。
上でも紹介したように、マルチケーブルシステムは、「マルチケーブル」と「コネクターボックス」を組み合わせて使用します。
必要なチャンネル数のマルチケーブルとそれと同チャンネル数のコネクターボックスを組み合わせる必要があります。
マルチケーブルは、チャンネル数とケーブルの長さだけで選ぶケーブルが決まってしまいますが、マルチケーブルに接続するコネクターボックスには種類があります。
一番シンプルなのが「シングルボックス」と呼ばれているコネクターボックスです。

単純に必要なチャンネル数分のコネクターが設置されているコネクターボックスになります。
それ以外のコネクターボックスの種類としては、「パラボックス」と呼ばれるものもあります。

パラボックスには、XLR端子のオスとメスが同数装備されています。
これは、一つのチャンネルを入力にも出力にも使用できるにするために、このような構造になっています。
例えば、8チャンネルのコネクターボックスであれば、1~6チャンネルは入力に使用し、7,8チャンネルは出力用に使用するという使い方をします。
これ以外のコネクターボックスとしては、「パラパラボックス」があります。



パラパラボックスは、広いステージなどにおいて、マルチボックスを複数個所にセットしたり、ステージの上手/下手に置きPA用と、モニター用の信号を使い分けるなどの用途に使われます。
XLR端子はオス・メス両方を装備しています。
また、パラボックスとは違い、オス・メス両方のマルチコネクターを装備することで、コネクターボックス同士の接続を可能にします。

ミキサー側のケーブルの接続方法としては、ミキサー側にもパラボックスを設置してそこから一本ずつ短いケーブルでミキサーを行う方法と、セパレートコード(以下の写真)を使用する方法もあります。

これは、マルチケーブルと直接接続できるため、こちらの方法の方がすっきりと配線できるかもしれませんね。

以上がCANAREのマルチケーブルシステムの解説です。

リール付きマルチケーブルシステム

上記のようなスタンダードなマルチケーブルシステムの他にも、マルチケーブルシステムは存在します。
そのうちの一つが「リール付きマルチケーブルシステム」です。
これは、マルチケーブルの設置を効率化できるシステムになっています。

ステージ側に設置するコネクターボックスとマルチケーブルを合体させたようなシステムです。
マルチケーブルがリールに巻かれているため、設置が楽にできます。
長いマルチケーブルの設置をする際には便利な製品です。

一体型マルチケーブルシステム

コネクターボックス、マルチケーブル、セパレートコードが全て一体化されているのが一体型マルチケーブルシステムです。

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CANAREのマルチケーブルシステムに比べると価格的にはメリットがありますが、コネクターボックスが外せないため設営はしにくくなります。

まとめ

マルチケーブルシステムは、PAをする上では欠かせない機材の1つです。
デジタル伝送が普及している状況ではありますが、まだまだアナログのマルチケーブルシステムが使われることは多いです。
現場現場に合わせたマルチケーブルシステムを購入し、現場での配線作業を効率化させましょう。