
用途別PAシステム『ダンスイベント編』
今までPAに関わったことがない方にとっては、PA機器選びははよくわからないものですよね。
そんな方のために、少しでもお役に立てればとこの記事を書いております。
今回は、ダンスイベントに使用するPAシステムについてご提案させていただきます。
目次
システム構築のポイント
ダンスイベントは屋内の会場はもちろんのこと、野外などでも行われているイベントです。
私も実際にショッピングモールなどでダンスイベントが行われているのを見たことがありました。
そんなダンスイベント用のPAシステムのポイントは、重低音をしっかり再生できることです。
ダンスイベントは、簡単に言ってしまえば音楽を流して踊るイベントです。
それゆえに、流す音のクオリティーは、ダンスイベントの良し悪しに大きく影響を与えます。
ですので、サブウーファーを使った、しっかり低音が再生できるPAシステムを提供できることがポイントになってきます。
PAシステム提案
ダンスイベントに使用するPAシステムはシンプルです。
アイドルイベントのPAシステムからワイヤレスマイクを除いたシステムと言っても良いかもしれません。
ちなみに、アイドルイベント向けのPAシステムのご提案はこちらの記事で行なっています。

それを踏まえて、今回提案するPAシステムの要件は以下のような感じです。
- ミキシングコンソールのチャンネル数は、CDの音源を流すのとMC用のマイク用として8チャンネルもあれば十分
- 音源を流すスタイルのため、再生音の迫力を出すためにサブウーファーを追加
- そこまでシビアな音源のモニタリングは必要ないため、サイドフィルのみのモニタースピーカーで対応
システム構成例
ダンスイベントでは、アイドルイベントのようにワイヤレスマイクは通常は必要ないでしょう。
MC用にワイヤードマイクを準備してけば問題ありません。
ミキシングコンソール
スピーカー
スピーカーについては、低価格ながらそれ以上の音を出せるElectro VoiceのフルレンジスピーカーELX115とサブウーファーELX118の組み合わせが良いでしょう。
また、サイドフィルのモニタースピーカーについては、メインスピーカーと同様のELX115または、一回り小さなELX112を使用すると良いでしょう。
パワーアンプ
パワーアンプは、スピーカーの許容入力値以内のものを選びましょう。
あまり出力の大きなパワーアンプを選ぶと、スピーカーの破損の原因になりますのでご注意ください。
今回ご提案するのは、スピーカーと同じElectro Voice製のQ99というパワーアンプです。
400E(8Ω)の出力を持つパワーアンプなので、ELX115との相性も良いでしょう。
グラフィックイコライザー
グラフィックイコラーザーは、最悪無しでもとりあえず音は出ますが、音質補正が出来なくなってしまうのでシステムに組み込むことをおすすめします。
グラフィックイコラーザーの使い方については、こちらの記事をご覧ください。
今回提案するグラフィックイコライザーとしては、dbxの1231というモデルです。
31バンドのグラフィックイコライザーで、フェーダーは41mm仕様となっています。
15バンド仕様のグラフィックイコライザーも存在しますが、より細かな調整を行うためにも31バンド仕様をおすすめします。
また、フェーダー長についても20mm仕様のものもありますが、よりシビアな調整ができるのは41mm仕様のグラフィックイコラーザーなので、フェーダーは41mm仕様をおすすめします。
マイク
MCに使う程度だと思いますので、SM58があれば十分でしょう。
CDプレイヤー
アイドルイベントにおいては、CDでのオケ出し(音源の再生)は非常に重要な仕事になります。
その音源を流すために必要なのがCDプレイヤー(CDデッキ)です。
ここでおすすめするCDプレイヤーは、TASCAMのCD-200SBです。
こちらはのCDプレイヤーは、CDだけでなくSDカードやUSBメモリーに入っている音楽データの再生も可能なモデルです。
もし、異なるディスクを立て続けに再生しなければならない場合は、1台のデッキでは対応できないため、2台のプレイヤーを使用するのが良いでしょう。
まとめ
ダンスイベントは、マイクの本数をそんなに使用しないため、システムとしては割とシンプルです。
しかし、シンプルだからこそ、しっかりとメインスピーカーから出る音で勝負したいですね。
音量を上げすぎずに迫力のある音を作れるようにしておく必要がありますね。