PAには「技術」と「センス」が求められる

PAという仕事は、「音」を扱う仕事です。そして、同じように音を扱う仕事に「ミュージシャン」というのがあります。
世の中には、様々なミュージシャンがいらっしゃいますが、その中でも「人を惹きつける」ような魅力があるミュージシャンと、そうでないミュージシャンがいます。

この違いは何なのでしょうか?

音で人を惹きつけるためには?

音で人を惹きつけるためにはどうしたら良いのでしょうか?そこで重要なのが「技術」と「センス」だと私は考えます。
「技術」というのは、ギタリストであれば、ギターを演奏するテクニックです。
世の中には楽器の演奏や歌がうまいミュージシャンはたくさんいらっしゃいます。
しかし、そのような方が全員、人を惹きつける力があるのか?と言われるとそうではないと思います。
テクニックがあれば人を惹きられるのであれば、もっと人気が出ているミュージシャンというのはたくさんいるでしょう。

それでは、技術があるにも関わらず、人を惹きつけられないのはなぜでしょうか?

それは、人を惹きつけるためには、「技術」だけではだめだということの裏返しです。
そこで、もう一つ必要なのが「センス」だと私は考えています。
「センス」というのは、理論的に伝えられないあいまいなものなのですが、これがあるか無いかで人を惹きつけられるかどうかが決まってくると言っても過言ではないのです。
センスのある人はセオリーにとらわれない考え方をする傾向があります。
とにかく「やってみよう」と言って、いろいろトライするのが好きなのがセンスのある人です。
セオリーにとらわれない試行錯誤をするからこそ、周りの人とは異なる魅力を出せるようになるのです。
センスというのは、生まれ持ったものでもありますが、鍛えることもできるものだと私は思っています。
そのためには、上記に書いたようにいかに試行錯誤をするかどうかが重要になってきます。

人を惹きつける音を出すPAオペレーターの条件

人を惹きつけるミュージシャンの話をしましたが、今度は話をPAオペレーターに戻しましょう。

それでは、人を惹きつける音を出すことが出来るPAオペレーターというのはどんな方なのでしょうか?

その答えは、ミュージシャンと同じ

「技術」と「センス」を持っている人

です。

PA機器を操る「技術」はもちろんのこと、音を作りあげる「センス」が必要です。
人が聴いていて気持ち良い音を出すためには、PA機器を操作する「技術」だけではダメで、その会場にいるお客様の好みを察知して、その場に合わせた音を出せる「センス」が必要です。
「技術」だけのPAオペレーターは、「自分の音」に固執する傾向があるのではないでしょうか?
それが必ずしもそこにいるお客さんにマッチする音とは限らないのです。
その場に合わせて柔軟にかつ自然に音を作り上げられるPAオペレーターの方は、間違いなく人を惹きつけることができるPAオペレーターだと言えます。

まとめ

PAを始めてみるとどうしても「技術」に目が行きがちですが、PAにおける「技術」というのは、お客様に良い音を届けるための単なる手段に過ぎなのです。
その手段を使いこなすためには、どうしても「センス」が求められます。
そして、日々、試行錯誤を繰り返し、そのセンスを磨くことが重要だと考えます。