ハウリングの原因と解決方法

ハウリングの問題はPAオペレーターだけが抱える悩みではありません。

バンドマンであればスタジオでバンド練習をしたことがあると思いますが、そこでほぼ間違いなくPAに触れているはずです。

ボーカルやキーボードなどの音を出すために小規模のPAシステムが組んであるからです。

ハウリングとはどのような現象?

ハウリングとは、PAシステムでマイクを使用し、音量を上げていった際に「ボーーーーーー」や「ピーーーーー」といったような連続的な音が発生している状態のことを言います。

PAシステムの規模が大きければ大きいほど、ハウリング音も大きくなります。

場合によってはスピーカーの破損にもつながるため注意が必要です。

ハウリングの原因

マイクから声を入力すると、その信号はアンプで増幅されてスピーカーから出ます。

この音をマイクが拾ってしまうと更に増幅されてスピーカーから出てしまいます。

これが連続的に繰り返されてハウリングが起こります。

ハウリングを一番簡単に起こす方法は、マイクをスピーカーに向けることです。

ただし、スピーカーの破損の原因になるので絶対にやらないでください。

アマチュアバンドのライブなどで、ボーカルさんがモニタースピーカーにマイクを向けてしまうことがあります。

これは究極のハウリング発生方法ですので、ボーカルの皆さんは絶対にモニタースピーカーにはマイクを向けないようにしましょう。

ハウリングが発生する主な原因は以下のようなものがあります。

  • スピーカーとマイクの位置が近い
  • マイクと音源の距離が遠い
  • マイクの本数が多い
  • 部屋の音響特性が悪い

このように、ハウリングが発生する原因は1つではなく様々な要因が考えられます。

これらに対して対象するため、ハウリング対策というのは難しいものとなってしまっています。

間違ったハウリング対策

ハウリング対策をしようとした時にまず「ハウリングが起こらないマイクを使えばいい」という考えを持つ方もいらっしゃるかもしれません。

私も高校生くらいまではそのように思っていました。

「ハウリングが起こるのは、ハウリングが起こりやすいマイクを使っているから」だと。

しかし、現実的には「ハウリングが起こらないマイク」は存在しません。

世の中には単一指向性のマイクといって、ある特定の範囲の音を狙うために設計されたマイクが存在します。

しかしそのようなマイクでも絶対にハウリングが起こらないというわけではありません。

このように「ハウリングが起こりにくいマイク」はありますが、「ハウリングが絶対に起こらないマイク」というのは存在しません。

従って、マイクだけでハウリング対策をするようなことは絶対にしないでください。

ハウリングの解決法

それではこのページの本題です。

「ハウリングの解決法」について解説していきます。

主なハウリング解決法としては、以下の4つの方法があります。



1.機材の設置レイアウトを見直すことによる解決法

最初にすべき対策が「機材の設置レイアウトの見直し」です。

これは具体的にはマイクとスピーカーの位置関係の見直しをするということです。

マイクがスピーカーの方向に向いていたり、極端にスピーカーに近かったりするとハウリングは起こりやすくなります。

モニタースピーカーも同様で、スピーカーの方向にマイクが向かないようにすることが重要です。

2.使用するマイクの数、種類を変えることによる解決法

マイクの数が増えれば増えるほどハウリングは起こりやすくなります。

あまりにハウリングがひどいようであればマイクの使用本数を減らすことも対策にはなります。

また、マイクにもハウリングしやすいマイクとしにくいマイクがあるのは事実ですので、ハウリングしにくいマイクを使用することも対策になります。

また、使わないマイクはミキサー側でミュート(OFF)にしておくことも重要です。

3.グラフィックイコライザーを使用した解決法

「イコライザー」というのは特定の周波数帯の音量を上げたり下げたりする機材です。

パラメトリックイコライザー、グラフィックイコライザーというのが主なイコライザーの種類でPAのハウリング対策には「グラフィックイコライザー」が使用される場合が多いです。

グラフィックイコライザーを使用したハウリング対策は以下のように行います。

  • マイクの音量を上げていくと、あるタイミングでハウリングが発生します。
  • 発生しているハウリング音の周波数帯のフェーダーをハウリングが止まるまで下げます。
  • マイクを移動したりして他に発生するハウリングが無いかをチェックしていき、同様の作業を繰り返します。

これがグラフィックイコライザーを使用したハウリング対策です。

■グラフィックイコライザーの定番機種
KLARK TEKNIK ( クラークテクニック ) / DN370

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4.フィードバックディフューザーを使用した解決法

フィードバックディフューザーというのは、簡単に言うと上記の「グラフィックイコライザーを使用した解決法」を自動で行ってくれる機材です。

フィードバックサプレッサーと呼ばれたりもします。

このような便利な機材もありますが、まずは、グラフィックイコライザーを使用したハウリング対策を覚えた方が良いと思います。

■フィードバックディフューザーを搭載している機器
DBX ( ディービーエックス ) / DriveRack PA2

まとめ

ハウリングは、誰にとっても良いものではありません。

当然、ライブを見に来ていただいているお客様は特にハウリングを好みません。

私は見に行ったライブでハウリングが発生していると気になってライブに集中できません。

これはPAオペレーターとしては、ハウリングは絶対に発生させてはいけないものなのです。

ハウリングの原因をしっかりと把握し、適切な対応をし、良い音を提供できるようにしましょう。