デジタルとは?

近年、PA機器は急速にデジタル化が進んでいます。私もデジタル機器の恩恵を受けている一人であるので、PA機器のデジタル化については今後の発展が楽しみです。

このページでは、そもそも「デジタル」というのはどういう概念なのか?という部分を説明していきたいと思います。

「デジタル」と対照的に使われるのが「アナログ」です。それでは、アナログとデジタルの違いについて、まずは説明していきます。

アナログとデジタルの違い

アナログとデジタルの違いは少し難しく言うと以下のようになります。

アナログ ⇒ 連続したもの、数値化(量子化)されていないもの
デジタル ⇒ 離散したもの、数値化(量子化)されたもの

少しわかりにくいですね。それでは、もっとわかりやすく図を用いて説明します。下図をご覧ください。

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左図のようなアナログ信号があったとします。

これをデジタルに変換すると右図のようになります。

アナログが連続的な曲線で表されているのに対して、デジタルは、ある時点の信号の強さを図のような棒グラフのように表現します。

その集合体がデジタル信号なのです。

この処理をサンプリングといいます。

サンプリングについての詳細はこちらで説明しておりますのでご覧ください。

デジタルの基本は2進数

世の中に存在するデジタル信号処理の方法には2進数、つまり「0と1」の数字を使用します。

つまり、上図でご説明した「棒グラフ」を0と1の数字の列で表現していきます。

私たちが普段使用している数字は、10進数です。

つまり、「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」という10個の数字を使用します。

それでは、この2進数と10進数の関係はどうなっているのでしょうか?

その前に、まずは、2進数の考え方をご説明しておきます。

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たとえば、4桁の2進数を例に話をします。



2進数の桁は「2の何乗」という形で表現されます。

例えば、2進数の1桁目(上図の一番右側)は2の0乗で表されます。

つまり「1」です。

2桁目は、2の1乗、つまり「2」を表します。

このように、各桁に「2の○乗」という形で数字を割り振っていくのです。

例えば、2進法で5という10進数の数字を表す場合は「0101」となります。

これは、「8×0+4×1+2×0+1×1」という計算になります。

このように、各桁の数字を組み合わせて信号を表現するのです。

それでは、2進数と10進数の関係を一覧にしたものを以下に示します。

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この一覧からもわかるように、4桁の2進数で表現できるのは、10進数の「15」までとなります。

これ以上の数字を表現する場合は桁数を増やしていきます。

デジタル機器はなぜ2進数が使われるか?

2進数は「0か1」で表現すると説明しました。

つまり、スイッチの「ONとOFF」で信号を表現することができるのです。

実際に、アナログ信号をデジタル信号に変換する回路の中にはこのON/OFFの切り替えを高速で行う電子部品(トランジスタ等)が入っています。

このような理由があるため、デジタル機器には2進数が使用されるのです。

デジタルはアナログに似せているだけ

世の中には最初からデジタル信号のものはほぼありません。

PAにおいても、最初は「人の声」であったり、「楽器の音」といったように、基本的にはアナログ信号なのです。

デジタル信号処理においては、まず、このアナログ信号をデジタル信号に変換する作業(AD変換)が必要です。

その際に、デジタル信号処理の特性上、全く同じ信号は再現できません。

あくまで、近似値になります。

しかし、このデジタル変換を行う頻度(サンプリング)が多ければ多いほど(棒グラフの幅が狭ければ狭いほど)元の信号に近づいていきます。

例えば、デジタルミキシングコンソールでは、サンプリングの頻度(サンプリング周波数)は、96kHzというものが多いです。

つまり、1秒間に96,000回、サンプリングを行うということになります。

今後、高音質化が進むとおもわれるため、このサンプリング周波数というのはどんどん高くなっていくのは間違いないと思われます。