AD変換とDA変換

デジタル機器の内部では、様々な信号処理をデジタルで行います。

しかし、マイクから入力される信号はアナログ信号なのです。

つまり、アナログ信号をデジタル信号に変化する必要があります。

それがAD変換です。

Analog⇒Digitalの変換作業なのでAD変換と呼ばれています。

そして、デジタル機器から出力される信号は、スピーカーを振動せる信号、つまりアナログ信号でなければなりません。

したがって、デジタル信号をアナログ信号に変換する必要があるのです。

これをDA変換と言います。

それでは、AD変換、DA変換それぞれについて説明していきます。

AD変換

上述のように、アナログ信号をデジタル信号に変換するのを「AD変換」と言います。

「1秒間に何回サンプリングするか」という数をサンプリング周波数と呼びます。

原理的には、変換したいアナログ信号の2倍のサンプリング周波数があれば、元の音が再現されるとされています。

ちなみに、私たち人間が聞くことが出来る周波数の限界値は20kHzと言われています。

つまり、40kHzのサンプリング周波数があれば、人間の可聴領域はカバーできるということになります。

ただし、厳密には、高音域の波形の形状が再現できないため、シンバルやトライアングルなどの高音域の音がざらついた音になってしまいます。

高音域を出来るだけきれいに収音するためには、サンプリング周波数を上げれば良いのですが、実際にはデジタル機器同士の互換性の問題もあり、以下のサンプリング周波数が一般的に使われています。

  • 32kHz
  • 16kHz
  • 32kHz
  • 44.1kHz
  • 48kHz
  • 96kHz
  • 192kHz

DA変換

DA変換は、AD変換とは逆で、デジタル信号をアナログ信号に変換する作業です。

デジタル信号というのは、言ってしまえば、単なる0と1で表された数字にすぎません。

従って、その値をそのまま波形に変換しようとすると階段状の波形になってしまいます。

この階段状の波形はいわゆる「音」ではなく、ノイズになってしまいます。

この対策として波形を滑らかにする処理がされますが、逆に滑らかにし過ぎてしまうと衝撃音やパルスのような鋭い音に対する再現性がなくなってしまったりします。

この「波形を滑らかにする」という処理はDAコンバーターという変換器によって行われるため、その性能の良し悪しが元の音を忠実に再現するためには重要ということです。

DA変換する際に劣化が少なく、音質の良いものほど優れたDAコンバーターということができます。

ただし、どんなに性能が良いDAコンバーターでもアナログの音波がデータ変換される際には少なからず劣化が生じてしまうことだけは忘れないようにしましょう。