実はいろいろなところで使われている!?スライダックとは?

「スライダック」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

普通に生活していたらはあまり聞くことはない言葉だとは思いますが、PAをやっていると耳にする言葉です。

こちらの記事では、

「スライダック」というものは一体何なのか?

そして、どんなとこで使われているのか?

というところについて解説していきたいと思います。

スライダックとは?

スライダックというのは大きな括りで言ってしまうと電気機器です。

スライダックは「電圧を変える」役割を果たします。

このような機器を変圧器と呼びます。

変圧器と言われると、電柱の上の方に付いている変圧器や海外旅行に持っていく変圧器を思い浮かべる方もいらっしゃるかともいますが、スライダックは少し使われ方がこれらとは異なります。

スライダックの特徴は、入力された電圧に対して、出力の電圧を可変させることができるということです。

電柱についている変圧器や海外旅行に持っていく変圧器というのは、100Vから150Vに変換するといったように、基本的に入力電圧に対して、出力電圧が決まっています。

この出力電圧をコントロールできるのがスライダックなのですね。

ちなみに、「スライダック」とう名前は、株式会社東芝の商標となっています。

しかし、現在のところ東芝ではスライダックの生産を中止しており、同様の機能を持つ機器としては山菱電機株式会社から「ボルトスライダー」という商標で販売されています。

東芝は、この山菱電機株式会社のボルトスライダーを推奨品として指定しています。

しかし、一般的には「スライダック」という名前が浸透しており、東芝製でなくてもスライダックと呼ばれることが多いのが実状のようですね。

スライダックの用途

次に、スライダックがどのようなところで使われているのかを解説します。

一般的なスライダックの用途としては以下のようなものになります。

  1. 電圧の調整
  2. 温度の調整 
  3. 照度の調整
  4. 回転速度の調整 

電圧の調整

これが一番わかりやすいスライダックの使われ方だと思います。

入力電圧が低すぎる時や高すぎる時などにスライダックを挟んであげることによって、過不足電圧の調整を行うことができます。

PAで使われるのはまさにこと使われ方です。

現場によっては、著しく電源電圧が低い場合があります。

このような時にスライダックを持っていると安心してPAシステムを運営できるということですね。

PA機器にとっての電源の重要性については、以下の記事で解説しています。

温度の調整

温度の調整についてもスライダックが使われています。

スライダックによってヒーターにかかる電圧(電流)を制御してあげることで、ヒーターの温度を調整することができます。



アーク炉やプラスチック加工機などの機会に組み込まれて使用されるというのが基本的な使い方です。

照度の調整

スライダックによって照度を制御することもあります。

照明器具についても、基本的にはその明るさは光源に送る電圧や電流を制御してあげることで明るさを変えています。

その役割をスライダックが担うというようなイメージです。

光学的医療機器、電子顕微鏡、理化学機械、分光器、写植機、写真スタジオ、調光器などに使われます。

回転速度の調整

スライダックによって回転速度を調整することもできます。

回転の制御については、現代においてはデジタル制御の場合が多いですが、スライダックなどを使ってアナログ的に回転制御する場合もあります。

わたあめの製造機、水晶研磨機、グラス加工機械、空調・換気扇、電線巻取機、遠心分離機などに使われています。

スライダックを使う際の注意点

PAにおいてスライダックを使う場面というのは、PAシステムを設置する会場の電圧が低い場合です。

最近はPA機器もデジタル化が進んでおり、現場で使われるようになってきてはいますが、デジタル機器はアナログ機器に比べて電源が弱いという傾向があります。

電源対策は徐々に進んでいるものの、アナログ機器に比べると電源が弱いというは間違いないことです。

そこでスライダックが重宝するわけですね。

スライダックよって電源電圧を調整することがでるのです。これで安心ですね!

しかし、スライダックを使用する際には注意点があります。

それは、スライダックを通して電圧の調整を行うと、流せる電流の最大値が変わってしまうということです。

電圧を上げる目的で使った場合は、流せる電流の量は減少してしまいます。

その減少量は以下の図をご覧いただくと理解できると思います。

減少量は、(入力側の電流容量)×(入力電圧÷出力電圧)で求めることができます。

例えば、容量20A、入力電圧90Vの電源を100Vに昇圧することを考えた場合、出力側で流すことのできる電流の容量は、20A×(90V÷100V)=18Aとなります。

このように、電圧をスライダックによってあげる場合には、使用できる電流容量が減ってしまうということに注意しましょう。

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PAで使用するスライダック

スライダックをPAで使用する際には、ラックマウント可能なスライダックケースを自作して電源の管理をしっかりされている方もいらっしゃいます。

非常にスタイリッシュで運搬も楽になりますね。

また、日本音響様は、スライダックをケースに組み込んだ電源モジュールを販売していたりします。

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まとめ

スライダックは、うまく活用すればPAの電源トラブルを防止してくれる心強い味方です。

使用できる容量の減少などの注意点を踏まえた上で、安全に使用していきましょう。