音作りにおけるピッキングの重要性

ピッキングというのは、弦をピックではじくことを指します。ギターを上手く演奏したり、自分が伝えたいニュアンスを表現するためは「ピッキング」が重要なことは言うまでもありません。
音の出どころであれる弦をならず行為ですので、当然と言えば当然ですね。
また、ピッキングの技術は「ギターの音作り」という点においても重要な影響を与える技術なのです。

この記事では、ピッキングの技術と音作り(イコライジング)の関係について解説していきます。

ピッキングで変わる音

以前にある実験をしたことがありました。バンド練習の際に私のバンドのギタリストのギターをギター初心者の方に弾かせてみたことがありました。
その時の両者が出す音の差に驚いたことを覚えています。
使用するギター、エフェクター、シールド、アンプやエフェクターの設定、ピックなどの使用する機材は全く一緒で、プレイヤーが変わっただけでこれほどまでに違いが出るのかと思ったものです。
従って、この音の差は、ギタリストの弾き方、つまり「ピッキング」によってもたらされるものだと理解することが出来ました。

ギターの鳴りはピッキングで変わる

ギター初心者と上級者のピッキングによる音の決定的な違いは鳴っている周波数帯です。
ピッキングが上手い方は様々な周波数帯を満遍なく鳴らすことができますが、初心者の方は鳴らすことができる周波数が少ないのです。

上級者のピッキング

初心者のピッキング

上級者がすべての周波数帯の音を満遍なく鳴らせているのに対して、初心者はならせている周波数帯が偏っていることが分かります。
この対策として、初心者のギタリストがやりがちなのが「足りない周波数を足す」ということです。
仮に、ほとんど鳴っていない周波数帯の音をイコライザーでブーストしたとしても、それはあまり効果が無いのです。つまり、狙った効果は得られないということです。

ということは、「足らない音を後でイコライザーで足そう」という考えは捨て、上級者のように、広い周波数帯の音を満遍なく鳴らすピッキングのテクニックが非常に重要な意味を持つということが理解できると思います。

ピッキングによって様々な音を出す

上記のように、ピッキングのやり方次第では音が変わってきます。これを音作りに活用するということもできます。ピッキングのやり方を変えるとによって、よく鳴る周波数帯をコントロールする(音作りをする)こともできます。

  • ピックの握り方
  • 弦にヒットさせる深さや角度
  • ピッキングの強弱
  • ピックが弦にヒットしてから弾くまでの速さ
  • ピックの材質 etc.

固定観念に縛られ過ぎずに、これらの要素をいろいろ変えてみることで、出したいサウンドが出るピッキングを見つけることが出来ると思います。

具体例を出すと、柔らかめのピックを浅めに握って強くピッキングをすると、ピックのしなりを活かしたようなピッキングになりますが、こうするとミッドハイが強調されたようなサウンドになります。
また、弦に対してピックは深く当てずに、ピックの先端で弦の表面をカットするよう勢いよくストロークすると、ハイが強調され鋭いサウンドを出すことが出来ます。キレキレのカッティングプレイをしたい場合などで有効なピッキングスタイルですね。
速弾きなんかでは、弦にピックをあまり深く当てず弱めにピッキングにした方が弾きやすいのですが、1音1音をハッキリと鳴らしたければ、ある程度弦に深く当て強くピッキングしてやる必要があります。

これらはあくまで数あるピッキング法の一部です。ピッキングだけで音は全く変わってくるので、様々なピッキングスタイルを研究して身に付け、シチュエーションに合わせて使い分けられるようになることがギタリストが成長する上では大切なことなのでしょう。