スピーカーの種類

PAで使用するスピーカーには様々な種類がありますが、用途別に大きく分けると2種類のスピーカーがあります。

1つ目は、お客さんに対して向けられる「メインスピーカー」です。

ライブ会場に行くとステージの両脇に置かれているのがメインスピーカーと呼ばれているスピーカーです。

2つ目は、モニタースピーカーと呼ばれるスピーカーです。これは、演奏者に対して向けられるスピーカーです。

このように、PAでは、2つの用途でスピーカーが使用されます。

メインスピーカー

お客様に向けて設置されるスピーカーのことで、会場の規模、収容人数によって使用されるスピーカーの大きさなどを変えるのが一般的です。

それでは、規模別にどんなメインスピーカーのが使われるのかをご紹介いたします。

小規模(10人~100人程度)

カフェでのライブ、ショッピングモールのイベントスペースでのライブなど小規模な会場でのライブには、以下のようなスピーカーが使用されます。

この規模では、比較的小型のスピーカー(出力100W~500W程度)が使用されます。

使用方法としては、スタンドに立てる「スタンドマウント方式」が採用される場合が多いです。

スピーカーには、音の信号を増幅するためのパワーアンプが別途必要なパッシブタイプとアンプを内蔵しているパワードタイプ(パワードスピーカー)があります。

現在では、パワードスピーカーにリバーブなどのエフェクトまで搭載されているモデルもあり、簡易的なPAシステムであれば簡単に省スペースで設置することができます。

中規模(100人~500人程度)

中規模のイベントになってくるとスピーカーの大きさも大きくしないと必要な音量を提供することが出来ません。

1000W~3000W程度の出力を持つスピーカーが使用される場合が多いかと思います。

このクラスのスピーカーになると1本あたりの重量が60~100kgと重くなるため、設営時にも安全に対する配慮が必要です。

 

上記のようなスピーカーだけでも十分にPAすることは出来ますが、ロックバンドなどで低音の迫力を出したい場合は、サブウーファーというスピーカーを追加して使用する場合があります。

メインスピーカーだけでは鳴らせない低音部分を鳴らしてくれるスピーカーです。

ライブハウス始め多くの場面で利用されているスピーカーです。

バスドラムなどの音は、このスピーカーを追加すると格段に迫力が出ます。

大規模(数千人~数万人)

この規模になると、ラインアレイスピーカーというスピーカーが使用されます。

小規模、中規模で使用されるスピーカーは、ポイントソース(点音源)スピーカーと呼ばれるように点から放射上に音が広がる仕組みになっています。

それに対して、ラインアレイスピーカーというのは、線音源という音が均一にカバーエリアに飛んでいくという特性があるスピーカーです。

ラインアレイスピーカーについては、詳しくはこちら→ラインアレイスピーカーとは?をご覧ください。

ラインアレイスピーカーは価格も高価なため、個人で所有している方はほぼいないと思います。

所有さているののはPA会社や大規模なライブハウス・ホールなどが多いです。

モニタースピーカー

メインスピーカーとは違い、モニタースピーカーは客席に向けて設置されおりません。

それでは、どこに向けて設置されているかというと、出演者(演奏者)に向けてあります。

「モニター」という名前が付けられている通り、出演者が演奏(演技)をする上で必要な音を聞くためのスピーカーです。

足元に置く場合が多く、この類のモニタースピーカーはフロアモニターと呼ばれています。

フットモニターと呼ばれる場合もあります。

このように、スピーカーも規模や用途によって種類があるということを覚えておきましょう。