スタジオにあるミキサーの操作方法

バンドなどをやっていると、必ずレンタルスタジオを利用するかと思います。
初めてスタジオに入る時は緊張するものですよね。私自身も初めてスタジオに入った時は緊張しました。確か中学生くらいの時でした。
自分の楽器の音を出すことすら精一杯だったのに、それに追い打ちをかけるようにボーカルのマイクの音を出さなければならないという難問に対処しなければなりませんでした。
今となっては、スタジオの小型ミキサーの操作は問題なく行えますが、初めてスタジオに入った時には、「たくさんツマミが付いている未知の箱」というイメージしかありませんした。
音を出すのにも、適当にツマミを回していたら「音が出た!」という感じで、なぜ音が出たのかが良く分かっていませんでした。
PA情報局をご覧いただいているミュージシャンの方の中にも、当時の私と同じような感じの方がいらっしゃるのではないかと思い、この記事を書きました。
それでは、スタジオに置いてあるミキサーの使い方を簡単に解説していきたいと思います。

ミキサーの構造

まずは、ミキサーの構造からです。ミキサーの全体像は以下のような感じになっています。

ミキサーの構造は、大きく分けるとマイクから入力された音の調整を行う「インプットモジュール」とスピーカーに出力する音を調整する「アウトプットモジュール」に分かれます。インプットモジュールの方がツマミが多く、複雑になっています。
このように、たくさんのツマミやフェーダーが配置されているのですが、スタジオ練習くらいであれば大半のツマミは使いません。それでは、実際の使い方を解説していきましょう。

ボリュームを調整する

スタジオで使用するミキサーで行うことは

  • ボリュームを調整する
  • 音質を調整する

のみです。リバーブなどのエフェクトをかける場合もありますが、スタジオ練習でリバーブを使ってしまうと、歌が上達しないと思っているので、あえってここでは解説しません。まずは、ボリュームを調整していきましょう。
ボリュームは、1つのツマミと1本のフェーダーで調整していきます。

ボリューム調整に使用するのは、「GAIN」と書かれたツマミと縦長のフェーダーです。

  • GAINツマミ ⇒ 音を大きくするもの
  • フェーダー ⇒ 音を微調整するもの

と覚えていただければ良いかと思います。それでは実際に音を出していきましょう。まずは、マイクを接続していくのですが、この時にGAINツマミが左いっぱいに回っている、フェーダーが一番下まで下がりきっていることを確認してください。チャンネルの「ON」スイッチがある場合は、OFFの状態(ランプがついていない状態)にしておきましょう。この「ON」スイッチが「MUTE」スイッチの場合もあります。その場合は、「ON」スイッチと逆の操作をします。
この状態でマイクを繋げます。専用のケーブルでマイクとミキサーを接続します。
そして、音量を上げていくのですが、基本的にはフェーダーは「0」の位置にしておきましょう。この状態がフェーダーによって増幅も減衰もされていない状態です。余分な回路を通していないため最も音が良い状態になります。
次に、GAINのツマミを必要な音量が得られるまで上げていきます。これで音量の調整は完了です。もし、GAINを最大にしても十分な音量が得られない時はパワーアンプの設定がおかしいか、そもそも出力が弱すぎるパワーアンプを使用している可能性があるので、スタジオのスタッフさんに問い合わせてみましょう。

音質を調整する

スタジオ練習においての音質調整は、「聞こえやすくすため」の音質調整になります。音質調整を行うためには、ミキサーについている「イコライザー」を使用します。ミキサーについているイコラーザーのツマミは以下のようなものです。

「HIGH(高音域)」「MID(中音域)」「LOW(低音域)」の3つの帯域に対して調整が出来るようになっています。MIDについては、細かな調整が出来るように、周波数と音量がそれぞれ調整できるようになっています。イコライザーの使い方を簡単に言ってしまうと

  • モワモワした低音が気になる時には「Low」を下げる
  • 声の抜けが悪い時には、声を出しながら「MID」のボリュームを上げ、周波数を変えて声が抜けるポイントを探す
  • キンキンする場合は、「HIGH」を下げる

これくらい覚えておけば良いかと思います。イコライザーには、基本位置があります。この今回の例で使っているミキサーの場合は「▼」のマークがついている位置が基本位置です。困ったらこの位置に戻して、それから微調整するようにしましょう。

まとめ

スタジオに置いてあるミキサーは、ライブハウスやホールなどで使用するミキサーに比べると簡単な操作で使用することが出来ます。しかし、適切な操作方法を知っていれば、機材を壊す危険が無いのはもちろんのこと、良い音でスタジオ練習ができるようになるでしょう。