ワイヤレスシステムとは?


ワイヤレスというのは、「wire less」つまり、文字通りワイヤー(線)が無いシステムということになります。PAや楽器で言うワイヤレスシステムは色々なものがあります。代表的なものを以下に掲載いたします。

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ハンドヘルドワイヤレスマイク

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ヘッドセットワイヤレスマイク

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ラベリアワイヤレスマイク

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ギター/ベース用ワイヤレス

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インイヤーモニターシステム

このように「ワイヤレス」にも様々な種類のシステムがあります。ハンドヘルドタイプやギター、ベース用のワイヤレスは割と馴染みがあるのではないかと思いますが、ヘッドセットやラベリア、インイヤーモニターなどはあまり馴染みが無い方も多いかも知れません。しかし、用途は異なるものの、ワイヤレス通信の仕組みは共通しています。それではまず、なぜワイヤレスで音を伝えるということが実現できるのかを解説していきます。

ワイヤレス通信の仕組み

PAで使用するワイヤレスシステムと同じ仕組みを使っているものが、実は私たちの身の回りにもたくさんあるのです。皆さんが毎日使用する携帯電話(スマホ)がその良い例です。スマホで何か情報を検索しようとした時にいちいちケーブルをどこかに繋ぐということをするでしょうか?そんなことをしなくても情報の検索はできるはずです。これが「ワイヤレス通信の技術」なのです。

■どうやって通信してるの?
ワイヤレス通信をするために使用するのが「電波」です。この電波に情報を乗せて通信を行う訳です。PAで使用するワイヤレスマイクを例にして考えてみます。マイクに向かって声を出すと、マイク本体の内部で「音を電波に乗せる作業」が行われます。この作業を専門用語で「変調」と言います。変調された電波がマイク本体から出力され、レシーバー(受信機)に届けられます。レシーバーでは音が混ざった電波から「音だけを抜き出す作業」を行います。これを専門用語で「復調」と言います。これで無事にワイヤレスで音を送れたことになります。

■変調、復調の方式
変調、復調を行うやり方としては「アナログ変調」「デジタル変調」2種類があります。それぞれの変調原理とメリットデメリットを以下の表にまとめました。

アナログ方式 デジタル方式
変調の仕組み 入力された音の波形をそのまま電波に乗せる 入力された音をデジタル信号(0と1で表現)に変換し後に電波に乗せる
メリット シンプルな変調方式のため信号処理に遅れが出ない
やわらかい音が得られる
デジタル信号に変換する作業が発生するためにアナログ変調に比べて信号処理の遅れが発生しやすい
デメリット ノイズの影響を受けやすい
多チャンネル運用が困難(6波程度)
ノイズの影響を受けにくい
多チャンネル運用が可能(10波程度)
デジタル特有の硬い音になりがち

このように、アナログ、デジタルともにメリット・デメリットがあるので、使用する用途、環境に応じてアナログかデジタルかを選べば良いと思います。

ワイヤレスシステムに使用される電波について

ここで言う「ワイヤレスシステム」はPAで使用する範囲のワイヤレスシステムという前提で話を進めていきます。「電波」という言葉を使用してきましたが、実は、世界の国々はそれぞれ「電波法」というものが制定しています。日本も例外ではなく電波法画制定されていて、それに準じた電波運用をしていかなければなりません。そもそも電波法を制定した目的は何でしょうか?電波法を覗いてみました。

「(目的)
第一条 この法律は、電波の公平且つ能率的な利用を確保することによつて、公共の福祉を増進することを目的とする。

難しい表現で書かれていますが、要は誰がどの範囲(周波数帯)の電波を利用できるかをしっかりと定めることで電波の混信やトラブルなどを防止し、より快適により安全に無線通信が出来るようにすることを目的としています。例えばテレビ放送も電波ですが、この電波を一般の人々が共有していたら、混信起こり、映したいものが映せなくなってしまうというようなことが起こります。そこで電波法によって「テレビが使用する電波はこれ」というように定めるわけです。これによって混信を防ぐことが出来ます。

前置きが長くなりましたが、PAで使用される主な電波(周波数帯)は以下の3種類です。

  • A帯
    使用するのに免許が必要です。使用する前にも事前に申請が必要なため、混信はほぼ起こりません。また、機器の価格も高価になります。
  • B帯
    A帯の用に免許が必要ないため、一般の方々が最も多く使っている周波数帯です。楽器店などに売っているアナログワイヤレスはほぼB帯仕様のものになります。
  • 2.4GHz帯
    使用するのに免許は不要です。デジタルワイヤレスシステムで使われる周波数帯で、近年では使用者が増加しています。

ワイヤレスシステムは便利なものですが、電波法という法律も絡んでいるため、しっかりとした知識を持った上で使用しましょう。稀にオークション名などで中国人が売っていた違法ワイヤレスシステムが売られている場合もあります。法律なので「知らなかった」では済まされないものです。とはいっても国内の正規代理店で購入すればこのようなことはありませんので、ご安心ください。


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