ゲートの使い方

ゲートとは?」のページでゲートの使用目的は以下の3点であると説明しました。

  1. ノイズを遮断する
  2. マイクを複数本使用したときのカブリを防ぐ
  3. エフェクト的に使う

1,2については、「ノイズ処理」の目的で使用します。そして、3については「音作り」という目的でゲートを使用します。それぞれの目的によって、ゲートの設定が変わってくるということを覚えておいてください。
それでは、まず、ゲートの設定をする際に操作するパラメーターをご紹介します。基本的には、コンプレッサーと似たようなパラメーターを使用します。従って、ゲートのパラメーターを説明すために必要な図もコンプレッサーで使用したものと一緒になります。

図1
この図は、入力された音と出力される音のレベルの関係を表しています。赤い線がその特性を表現しています。これは、ゲートにて何も処理をしていない状態です。-50dBの音が入力されたときには-50dBで出力し、0dBの音が入力された時には0dBで出力されます。デジタルミキサーに搭載されているゲートなどの設定をする際にもこの図が使用されているのでこの機会に見方を覚えてしまいましょう。

Threshold(スレショルド)

スレッショルドとは、日本語にすると「閾値(しきい値)」という意味になります。この値を境にして、ゲートがかかるかどうかが決まっていきます。スレッショルドでは、ゲートの効き具合の調整を行ないます。

図1
例えば-40.0dB という値をスレショルドとして設定した場合、-40.0dB 以下の音を遮断するようになります。この設定だと、-40dB以下の音に関しては出力音は無し。-20dBの音が入力されてきた場合は、-20dBで出力されます。このスレショルドの値はノイズの音圧レベルと出したい音の音圧レベルの間の値を設定することになります。

Attack(アタック)

Attackのパラメーターは、アタックタイムを調整するパラメーターになります。アタックタイムとは、スレッショルド値を超え瞬間から、ゲートが開ききるまでの時間のことを言います。アタックタイムを短くすることでアタックを強調した音作りができます。逆に長くすることで丸みのある音を作ることができます。

Release(リリース)

Releaseのパラメーターはリリースタイムを調整するパラメーターです。リリースタイムは、入力音がスレッショルドを下回ってから、ゲートを閉じるまでの時間を指します。良く使われる方法としては、ドラムのタムに余計な余韻(ボワーン)が残っている際に、ゲートをかけてリリースタイムを短くすることでその余計な余韻をカットするといったことに使用されます。

ゲートはドラムの音作りにおいて頻繁に使用されます。ただし、理想は余計なエフェクトは通さない方が良いのです。つまり、余計な余韻はドラム側でカットするのが正解です。ドラムにはミュートという考え方があります。適切なミュートを行うことでPAに入ってくる音は劇的に変化します。

以上がゲートの使い方です。