音響機器にたくさん使われている「コンデンサー」の性質

コンデンサーというのは、電気製品には必ず入っている部品の1つです。もちろんPA機器にもふんだんにコンデンサーが使われています。
このページでは、そのコンデンサーの性質について書いていきます。ちなみにコンデンサーというのは以下のような部品です。
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このコンデンサーには電極が2つ付いていています。この電極にテスターを使って抵抗値を計ってみましょう。すると、最初のうちは針がサッと振れますが、やがて、数値は無限大(∞)を指すようになってしまいます。これは、コンデンサーの性質の1つで、電気をためる性質があるのです。電気がたまってない時には、電流が流れやすくなっている、つまり、抵抗値が小さい状態と言えます。しかし、電流を流し続けるとコンデンサー内にためられる電気の量をオーバーしてしまい、電気を通さなくなってしまう、つまり、抵抗値が無限大の状態になります。次に、テスターを電流計モードにして、電極に振れると、一瞬電流が流れ、その後、電流値は0になります。これは、コンデンサーにたまっていた電気が放出(放電)されたということを意味しています。このように、コンデンサーは、電気を蓄える「入れ物」のような役割をします。どれくらい電気をためられるかはコンデンサーの種類により異なります。この電気がためられる量を静電容量と読んでいます。単位はμF(マイクロファラッド)です。この静電容量の数値が大きければ大きいほどたくさん電機をためられるということになります。

コンデンサーは交流の流れを抑える

直流電源にコンデンサーを接続すると、一瞬電流が流れて、その後に電流値は0になってしまいます。一方、直流電源と同じ電圧の交流電源を接続した際にはどうなるでしょうか?一瞬、電流値が上がり、その後、それより低い値で電流は流れ続けるのです。交流の場合は、直流とは異なり、コンデンサーに電気がたまった後でも電気を通します。とはいっても、無制限に電気を通すわけではなく、ある程度の抵抗値を持っています。これをリアクタンスと呼んでいます。コンデンサーは静電容量の大きいものほど交流を自由に通す性質があります。また、周波数が高い交流であるほど、自由にコンデンサーの中を電気が流れることが出来ます。逆に周波数の低い交流はコンデンサーの中を流れづらくなるのです。つまり、周波数が0の直流はコンデンサーを通り抜けられないのです。周波数によって、電気を通す通さないというコンデンサーの性質は、音を扱うPA機器を構成する上で非常に重要な意味を持ちます。イコライザーなどの機器は、まさに、このコンデンサーの特性をうまく利用したものです。