音場とは?

私が日常生活をしている環境においては、周りに建物や壁、家具、床など音を反射させる何かが存在します。

その中で私たちは無意識に音を聞いています。

日常において聞いている「音」というのは、音源(音の出所)から直接届いたものだけではなく、周囲の物の影響を受け、反射したり反響したり吸い込まれたり、共振したり音程・音質・音量が変化するだけでなく、方向や時間、性質までが変化して耳に到達して入るのです。

このように様々な条件下で耳に届く音を、人間は立体的に捉え、自分が今どこにいて、音がどのように鳴っているのかを習慣的、本能的に理解することができているのです。

暗闇で物音がした時に、どの方向で音が鳴ったのか理解できるのはこのためなのです。

これらの音が伝わるいろいろな環境を「音場」と呼びます。

この音場は場所によって様々です。例え、同じ建物でもいる人の数、季節によっても音場は変化します。

PAはこの音場を攻略する作業です。

変化要素が大きい音場というものに立ち向かっていくPAという仕事は正にフレキシブルに対応できる能力が求められる仕事で、絶対機械にはできないのです。

私はPAは一種のアートだと思っています。

そこに正解はなく、個性が生きるそんな仕事だと思います。