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音出し確認

機材の設置、配線が完了したらいよいよ音出しです。

音出しをする前に機材の電源を入れる必要があります。この際に基本的な注意事項があります。それは、電源を入れる機器の順番です。
電源を入れる際には音の入り口に近い機材から電源を入れるようにしましょう。つまり、

ミキサー → イコライザー/コンプレッサー → パワーアンプ

ということになります。これが

パワーアンプ → イコライザー/コンプレッサー → ミキサー

という順番になってしまうとどういうことが起こるでしょうか?
パワーアンプの電源を入れるところまでは問題無いですが、イコライザー/コンプレッサーの電源を入れた瞬間にスピーカーから「ボン!」であったり「バチ!」といった音が出てしまいます。この音は、会場規模が大きくスピーカーの出力が大きいほど大きくなるため、会場にいる人たちを驚かせてしまいます。このようなことは絶対に避けましょう。
このようなミスは、私も最初の頃はよくやっていました。独学で始めたため、そのような基本を教えてくれる人がいなかったのです。極論を言うと、「パワーアンプの電源を最後に入れる」とだけ覚えておけば問題無いです。スピーカーから音が出ない状況になっていれば、上流で発生した「ボン!」であったり「バチ!」といったノイズは音として出ないことになります。
逆に、撤収の際にはパワーアンプの電源は最初に切りましょう。これは基本ですので覚えておいてください。

前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。機材に電源が入ったら早速、音を出していきましょう。
音出し確認の手順は以下の流れで行います。

  1. CDなどを用いて、全てのスピーカーから音が出ているかをチェック
  2. 外音(メインスピーカー)のチューニング
  3. 中音(モニタースピーカー)のチューニング
  4. リバーブ、ディレイ類のチェック
  5. 全てのマイクの動作チェック

ここまで済ませてリハーサルを迎えましょう。それでは1つずつ解説していきます。

CDなどを用いて、全てのスピーカーから音が出ているかをチェック

ここでのチェックポイントは、

  • スピーカーから問題無く音が出ているか?
  • 配線が間違っていないか?

を確認するようにしましょう。手順は以下のようにやっていきましょう。

  1. CDプレイヤーをミキサーと接続する。
    PAで使用するCDプレーヤーは、ラックマウントできる業務用のものを使用した方がベターです。
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  2. CDを再生し、ゲインを調整した上でメインスピーカーに送るフェーダーを上げます。
    この時に音が出ればOKなのですが、念のためスピーカーの近くまで行き、ウーファー(低音用スピーカー)とツイーター(高音用スピーカー)から問題無く音が出ていればチェック完了です。私も経験があるのですが、ツイーターが飛んでしまっている(壊れてしまっている)場合が稀にあります。この場合は、音がバリバリと割れるか、音が出ないといった症状になるので判別ができると思います。
    ステレオで設置している場合は、PANのツマミを左右に振ってL側に振った時は左のスピーカーからのみ音が出ているか、逆にRに振った時には、右のスピーカーからのみ音が出ているかを確認します。
  3. メインスピーカーのチェックが完了したら次はモニタースピーカーをチェックします。
    アナログミキサーの場合はAUXチャンネルにモニターを割り当てるのが一般的ですので、そのツマミを上げていきます。
    チェック方法はメインスピーカーと同様です。
  4. ミキサーに割当てているのと異なるモニターから音が出てしまったら、つまり、ボーカルのモニターから音を出そうとしてツマミを回したけれどもドラムのモニターから音が出てしまったというような場合です。これは配線間違いをしていますので、すぐに配線の修正を行ってください。このままにしておいたら本番で確実にパニックになります。信じられない話ですが、私が出演者として出たライブで、このチェックを怠ったPA業者さんを見たことがあります。「ボーカルのモニターにアコギを返してください」という要望に対してツマミを上たのですが、ボーカルは「ちょっと小さい気がするのでもっと上げてください」と要望を更にしました。それに対応するためにツマミを上げたのでしょう。それでもボーカルのところにはアコギが聞こえないという状況でした。結末を言うと、ボーカルとドラムのモニターの配線が間違っていたのです。こんな初歩的なミスが原因でリハーサル時間が削られてしまったのです。PA業者としては、このようなことはあってはなりませんので、事前チェックでしっかりと問題が無いことを確認してください。
外音(メインスピーカー)のチューニング

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メインスピーカーのチューニングについては、私は便利なものを使用しています。それは、デジタルオーディオプロセッサーと呼ばれる機材です。
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この機材は、簡単言うとスピーカーのチューニングを自動で行ってくれる機材ということになります。スピーカーの左右の出力バランスチェックからイコライジング(周波数特性をフラットにする作業)までを自動で行なってくれます。ただし、最初からこれを使用してしまうとチューニングの基本が分からなくなってしまうので、まずは基本的なやり方をご説明いたします。
チューニングは、音量と音質を決定する作業になります。メインスピーカーの音量については、ミキサーから大きい信号が入った際にパワーアンプのインジケーターがクリップ(音が割れる入力レベル)しないようにパワーアンプのツマミを調整することで設定できます。
これが完了したら次は、音質調整(イコライジング)です。この作業には通常グラフックイコライザーというものを使用します。
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グラフックイコライザーは、ある特定の周波数帯の音量を上げ下げすることができます。チューニングで使用する際は、基本的に「上げる」という作業はしません。考え方としては「いらない音を下げる」ということになります。マイクやCDの音源を流し、違和感のある周波数帯域を削っていきます。ただし、これはいきなりやってできるものではありません。経験がものを言う世界です。最初のうちはフラット(上げも下げもしない状態)で音を出してみて、リハーサルや本番をこなす中で必要ない音に気付き調整ができるようになればOKです。とにかく、スピーカーのチューニングは非常に難しい作業ですのでしっかり経験を積んで、その都度、反省するようにしましょう。
また、この時に同時にやっておいた方が良い作業は「ハウリングチェックです」ステージ上のマイクの音量上げて行った時にハウリングする周波数帯はできるだけカットしておきましょう。

中音(モニタースピーカー)のチューニング

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考え方はメインスピーカーと同様です。唯一違うのが「モニターの方がハウリングしやすい」ということです。これは、スピーカーとマイクの距離が近いことが原因です。従って、モニターは音質調整も重要ですが、ハウリングチェックはそれ以上に重要です。ずっとハウリングしているモニターの前で歌っても全く気持ち良くありません。出演者の方が気持ち良く演奏できるようにするためにもしっかりとハウリングチェックをしましょう。モニターの場合は、誤ってマイクをモニターの方向に向けてしまうことも有り得ますので、それを想定してハウリングチェックをします。マイクの音量を通常より少し大きめにしてモニタースピーカーに向けます。一気に向けると一気にハウリングしますので、徐々にマイクをスピーカーの方向に向けていきましょう。その際にハウリングした周波数帯をカットします。この際にカットする量としては、ハウリングが止まる程度と覚えておいてください。あまりカットする量が多いと音質に大きく影響してしまうので、最小限のカットで済むようにしましょう。

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