モニター音の作り方


モニターの音作りについて書いていきます。
モニタースピーカーの役割」のページでも書かせていただきましたが、モニターの使い方のパターンは3種類頬ほどあります。

  • パターン1「全ての音が欲しい」
    これは、演奏者自身のテンションを上げるためのモニター設定です。
    場合にっては爆音にしてくれという方もいます。
  • パターン2「必要な音だけ欲しい」
    これが一番多いパターンだと思います。
    私も特別な注文が無い限りはこのパターンでモニターの調整をしていきます。
  • パターン3「モニター音は必要ない」
    これでしっかりと演奏できるのは上級者です。
    バンドの各パートの音のバランスが良くないと成り立たないし、このあたりのレベルになると他のメンバーの音が例え聞こえなくても感じることが出来るのかもしれません。

この中でも「お客様により良い音を届ける」というのを大前提とすると、モニターの音は無い方が良い、つまり「パターン3」が正解な訳です。この理由は「モニターが音を濁らせる?」のページでも触れていますので、ご覧になっていない方はぜひご覧になってください。
しかし、モニターに何も音を返さないで演奏できるミュージシャンはほんの一握りだと思います。多くのミュージシャンはモニター音が必要なのです。

この前提のもとモニターの音作りについて順を追って考えていきましょう。

自分が聞きたい音を明確にする

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モニターから出す音は最小限にとどめるべきだと私は考えます。その方が「お客様に届く音が良い」からです。
ただし、モニターから音を出さないことで演奏が出来なくなってしまっては元も子もありません。そこで、モニターの音作りでまず重要なのは「どの(パートの)音をモニターから出すか?」ということになります。まず、自分が演奏をする際にどの音が必要なのかを知ることからスタートします。
私がドラマーとしてライブをする際には、「ボーカル、ベース、自分の声」をモニターから返してもらうようにしています。私がやっているバンドは歌物バンドで、ボーカルきっかけで演奏に入る曲などが入るためボーカルの音は必要です。また、ベースの音については、ドラムとベースのリズムをしっかりとキープするために必要です。そして、コーラスをする場合がありますので、自分の声の音が必要です。このような基本セッティングで私はモニターの音作りをしています。私が欲しいモニター音を選択する基準は「リズムキープと曲の進行を知るため」です。「リズムをキープするために必要な音」と「曲の進行を見失わないようにするために必要な音」をモニターから出すようにしています。
このように、モニターから出す音については、「必ず何のためにこの音を出すのか?」というのを考えてみましょう。ここで「このような理由だからこの音を返すんです」と答えられないパートの音についてはひとまず出すのをやめてみた方が良いかもしれません。その状態で演奏してみると「この音が無いと演奏に支障が出る」というのが徐々に分かってくるのだと思います。

モニターの調整段階での注意点

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リハーサルにおいてモニターの調整をする際に、良くあるのが「○○が聞こえないから上げてください」という要望です。一見、正しい要望の出し方だと思われる方も多いのでは無いかと思いますが、これが絶対に正解ということではないのです。
ベテランのPAオペレーターの方であれば、「○○が聞こえないから上げてください」という要望を「○○を聞こえるようにしてください」という要望に変換するのです。例えば、ボーカルのモニターに自分の声とエレキギターの音が出ていたとします。この状態でボーカルさんから「自分の声が聞こえないので上げてください」という要望をもらった時に、PAオペレーターは、「きっとギターの音が邪魔してボーカルが聞こえにくくなっている」という予測を立てます。この予測を基にギターの音量を下げます。これですっきりとボーカルが聞こえるようになるはずです。逆に要望通りにボーカルの音を上げていたら必要以上にモニターから音を出すことになり、結果的にハウリングが起こります。
このような対応は全てのPAオペレーターが出来るわけではありません。「音量を上げろ」と言われたら素直に上げてしまうPAオペレーターが多いのも事実です。従って、ミュージシャンの方にもこのような調整法があるということを知っておいていただくことによって、「PAまかせのモニター調整」から「ミュージシャンが指揮するモニター調整」にすることが出来ます。


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