ドラムサウンドは、「チューニング」と「叩き方」で大きく変わる

ドラムというのは、エレキギターやエレキベースなどに比べると、演奏する人によってサウンドが大きく変わる楽器です。特にアマチュアドラマーは特にこの傾向が顕著に出ます。
それでは、なぜ、そんなにもドラムサウンドに差がでてしまうのでしょうか?それには、大きく分けれると以下の2つの要素があります。

  • ドラムのチューニング
  • ドラマーの叩き方

この2つでドラムサウンドは決まってしまうと言っても過言ではありません。
それでは1つずつ解説していきます。

チューニングはドラムサウンドづくりの基礎

ドラムという楽器は、タイコやシンバルによって構成されます。シンバルは、シンバルスタンドに立ててそのまま叩いて使用するのですが、タイコ、つまり、スネアやタムなどは買ってそのまま使用することはできません。このようなタイコ類を適正な音で鳴らすためには「チューニング」という作業が必要になります。チューニングというのは、タイコの打面と裏面に張ってあるヘッドと呼ばれる皮の張り具合を調整する作業です。
スネアやタムには、上記の写真のように「テンションボルト」と呼ばれるボルトを締めることでヘッドを張っていくという仕組みになっています。
このチューニングを行う上でまず重要なのが、「均等に張る」ということです。各テンションボルトの締め具合がバラバラだと、ヘッドがうまく振動せず、本来のサウンドを出してくれません。
また、ヘッドの張り具合についても、「適度」な張り方をする必要があります。12インチのタムには12インチタムのサウンドがあります。12インチのタムで10インチのタムのような音を出そうとすると、必要以上にヘッドを張ることになり、自然な鳴りが損なわれてしまうのです。
大抵のドラマーは感覚でこのチューニングを行っているのだと思いますが、初心者のうちは、ヘッドの張り具合を数値化してくれるツールもあるので、使ってみても良いかもしれません。

同じドラムも人が変われば全く別の物になる

ドラムサウンドを決める要素の2つ目は「ドラマーの叩き方」です。
ライブハウスなどで行われる対バン形式(複数のバンドが集まって行うライブイベント)のライブでは、基本的には、常設のドラムセットを使用する場合がほとんどだと思います。つまり、同じドラムを何人かの異なるドラマーが叩くということです。
同じドラムを叩くので、ドラマーが変わっても同じサウンドが出るのだろうと思うかもしれませんが、実際には、ドラマーによって出すサウンドは大きく変わります。それも「驚くほど」変わるのです。
ドラムは、タイコの叩く位置によっても音が変わるし、スティックのチップと呼ばれる先端部分の形状やスティックの素材、重量によっても大きく音が変わるのです。そして、一番ドラムサウンドに影響をおよぼすのは、「叩き方」だと私は思っています。ドラムには「芯」があるのです。野球のバットにも「芯」があります。その芯の部分にボールが当たると良く飛ぶのです。
ドラムもこれと同様で、タイコの芯の部分をスティックで叩いてあげるだけでも「良いサウンド」が得られます。そして、叩く瞬間のスティックのスピードも重要です。打面に当たる瞬間のスティックのスピードで音量が決まります。力を入れれば大きな音が得られるのですが、それは、ただ単に「大きな音」であって、「大きな良い音」とは全く異なるのです。
ドラムを良いサウンドで鳴らすためには、ドラムの芯を捉えることと、手首のスナップを効かせながら、打面に当たる瞬間のスティックのスピードをコントロールすることが重要です。
しかし、これは、理論だけ聞いても良く分からないと思いますので、実際にドラムを叩いてみて、試行錯誤する中で、自分なりの良いドラムサウンドが出る叩き方を見つけていくことが重要です。