デジタル化するPA機器

2017年時点では、PA機器のデジタル化が進み、コストが高くて大手PAカンパニーしか導入できなかったデジタルミキサーなどは、小型化、低価格が進み、個人レベルのPAカンパニーでも導入されるようになっています。
PA機器のデジタル化の大きな利点として挙げられるのが「機器同士の統合性」だと言えます。全ての機器をネットワークで接続すことで、コンパクトかつ、フレキシブルなPAシステムが構築できます。

PAシステム デジタル化の歴史

PAシステムのデジタル化と言っても、いきなりすべての機器がデジタル化したわけではありません。テープエコーとリバーブマシンが最初にデジタル化された機器と言われています。1970年代に登場したデジタルリバーブは、1980年代に低価格化したことで急速に普及しました。
また、1980年代はCDやDATが登場した時代でもあります。アナログデータというのは、どうしても時間が経つとデータの劣化が発生してしまいます。それを解決する技術こそがCDやDATといったデジタルの技術だったのです。

レイテンシーの問題

デジタル機器に常に付きまとうのが「レイテンシー」の問題です。レイテンシーとは、「遅れ」のことです。いくらデジタルPA機器とはいえ、声や楽器の音というのは「アナログ」の信号なのです。デジタル機器でこれらのデータを扱うためには、「アナログ⇒デジタル」の信号の変換処理が必要になります。そして、最終的にスピーカーから出力されれる音というのはアナログ信号です。つまり、デジタル機器の最終段階で「デジタル⇒アナログ」の変換処理が再度必要になります。このようなプロセスを経ないといけないため、リアルタイムに拾った音をスピーカーから出すことは不可能で、多少の遅れが発生してしまいます。これが「レイテンシー」です。このレイテンシーが少なければ少ないほど、よりリアルタイムに近い感覚で音を扱えることになります。
昔のデジタル機器などは、このレイテンシーが大きく、違和感のある音になってしまうこともありましたが、現代のデジタルPA機器は、このレイテンシーを最小限に抑えているため、自然な感覚で音を扱えるようになってきています。

デジタルPA機器の進化

PA機器のデジタル化は、CDやDATを扱うために録音機器や再生機器から始まりました。そして、スピーカーをコントロールするスピーカーマネージメントシステム(プロセッサー)、更にミキシングコンソールへと広がっていきました。そして、今では、以前のような太くて重くて扱いにくいマルチケーブルがLANケーブル一本で済んでしまうなど、ほとんどの機器がデジタル化されている状況です。
しかし、予算の都合、操作が慣れているからといったような理由で、一部分だけアナログ機器が接続されることも多く、完全なデジタル化が出来ていない場合も多いかもしれません。
デジタル機器の間にアナログ機器を接続するということは、「アナログ⇔デジタル」の変換作業を余計に行う必要があるということになります。つまり、レイテンシーを自分で大きくしてしまっているのです。本来のデジタル機器の恩恵を預かるには、出来る限りすべてデジタル機器でシステムを構成することが求められるのです。

今後、PA機器を導入される方は、ぜひ、「デジタルPAシステム」を検討しても良いのではないでしょうか。



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